- 2023/06/14 掲載
日本株、海外勢の買い継続=急上昇に「疑心暗鬼」も
米欧金融機関の経営不安を背景に3月半ば2万6000円台に沈んだ日経平均株価は、その後3カ月で一気に3万3000円台まで駆け上がった。株式市場関係者は「海外投資家の買いが続いている」(大手証券)と口をそろえる。ただ、あまりの上昇スピードに「顧客の個人投資家は疑心暗鬼だ」(中堅証券)との声も。高値警戒感はくすぶっている。
東証が公表する投資部門別株式売買状況によると、3月にプライム市場で2兆2214億円を売り越した海外投資家は、4月に2兆2303億円の買い越しに転じた。5月も2兆4054億円の買い越し。海外から、日本株に追い風が吹いている。
ある中堅証券関係者は「米欧と比べて景気の腰折れ懸念が少なく、(米国との対立が激化する中国と比べ)地政学リスクの面でも投資しやすい」と指摘。海外投資家には、まだ日本株を買い越す余力があるとみている。
一方、個人投資家は4月からの上昇相場で売り越しを続けてきた。先の中堅証券関係者によると、個人投資家の間では「海外投資家は以前と同じように(いずれ資金を)引いていくのでは、と考える人が多い」という。日経平均が一本調子で上昇した結果、過熱を示唆する株価指標も目立っており、休みを取る海外勢が増える夏にかけて上昇相場が一服すると予想する市場関係者は少なくない。
【時事通信社】 〔写真説明〕約33年ぶりに3万3000円を回復した日経平均株価=13日午後、東京都中央区
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