- 2023/06/24 掲載
NY市場サマリー(23日)ドル上昇、株下落 利回り低下
米S&Pグローバルが23日発表した6月の米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は53.0と、3月以来3カ月ぶりの低水準となった。サービス部門が今年に入って初めて低下したほか、製造業の低迷も一段と深まった。
また、6月のユーロ圏のHCOB総合PMI速報値も50.3と前月の52.8から低下し、5カ月ぶりの低水準となった。
ユーロは対ドルで0.57%安の1.08925ドルと3日ぶりの安値を付けた。ドル指数は0.49%高の102.89。
ドル/円は0.44%高の143.76円と7カ月超ぶりの高値。日銀の超ハト派スタンス維持で円は圧力を受けている。
ポンド/ドルは0.30%安の1.271ドル。週間では約1%安と過去6週間で最大の下げとなった。
リスク回避を背景に豪ドルとニュージーランド(NZ)ドルが下落。豪ドル/米ドルは1.16%安の0.6678米ドル。週間では約3%安と8月下旬以降で最大の下げを記録した。NZドル/米ドルは0.62%安の0.6139ドル。週間では約1.6%下げた。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは3.46%高の3万0924ドルと1年ぶりの高値。週間では17%近く上昇し、3月中旬以降で最大の上げとなった。ブラックロックによるビットコイン上場投資信託(ETF)立ち上げ計画が追い風となった。
<債券> 国債利回りが低下した。ユーロ圏経済の成長鈍化の可能性が材料となった。
6月のユーロ圏のHCOB総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は50.3で、前月の52.8から低下し、5カ月ぶりの低水準となった。
一方、6月の米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は53.0と、3月以来3カ月ぶりの低水準となった。サービス部門が今年に入って初めて低下した。
米2年債利回りは4.8ベーシスポイント(bp)低下の4.752%、10年債利回りは5.7bp低下の3.742%だった。
2年債と10年債の利回り格差は一時マイナス101.2bpと、3月以来の水準に拡大した。
30年債利回りは4.9bp低下し3.824%だった。
物価連動国債(TIPS)と通常の国債の利回り差で期待インフレを示すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、10年物が2.223%。
フェデラルファンド(FF)金利先物市場では、年内の利上げがあと1回にとどまることを織り込んでいる。対照的に、米連邦準備理事会(FRB)幹部はあと2回の利上げを予想している。
米サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は、ロイターに対し、今年はあと2回の利上げが「非常に妥当な」予想とした上で、金利が「最終到達点に近づくにつれ、政策のペースを落とすことが賢明な政策」という認識を示した。
<株式> 下落。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言が注目された週を幅広い銘柄の売りで締めくくった。
今週はパウエル議長の証言以外に市場を動かす材料がほとんどなかった。主要3指数は全て週足でマイナスとなった。中でもナスダック総合は、マイクロソフト、テスラ、エヌビディアなど大型株が下げをけん引した。
ナスダック総合は2019年3月以来最長となる8週連騰を止め、S&P総合500種は21年11月以来最長となる5週連騰を止めた。
S&P総合500種の主要11セクターは全て下落。中でも公益事業が大幅な下落率を記録した。
フィラデルフィア半導体指数は1.8%下げた。
個別銘柄では、中古車販売大手カーマックス が10.1%上昇。四半期決算が予想を上回った。
一方、コーヒーチェーン大手スターバックス は2.5%下落。同社の労働組合は23日、国内150以上の店舗で働く従業員3000人以上が来週ストライキに入ると発表した。
投資家の不安心理を示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(恐怖指数、VIX)は0.53ポイント上昇の13.44。
<金先物> 米長期金利の低下を眺めて4営業日ぶりに反発した。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は前日比5.90ドル(0.31%)高の1オンス=1929.60ドル。
S&Pグローバルが午前に発表した6月の米製造業購買担当者景況指数(PMI)速報値は46.3と前月48.4から低下し、6カ月ぶりの低水準となった。市場予想も下回った。サービス業PMIも54.1と前月(54.9)から低下。2カ月ぶりの低水準となった。これらを背景に、この日は米長期金利が低下。金利を生まない資産である金は買いが優勢となった。ただ、対ユーロでドルが堅調に推移したことからドル建て商品の割高感が意識され、上値は重かった。
<米原油先物> 米追加利上げに伴う景気減速懸念が広がる中で売りが優勢となり、続落した。米国産標準油種WTIの中心限月8月物は前日清算値(終値に相当)比0.35ドル(0.50%)安の1バレル=69.16ドルだった。週間では3.65%安となった。
9月物は前日比0.31ドル安の69.32ドル。
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は前日、年末までに2回の利上げが適切と想定していると米議会で証言。さらにサンフランシスコ連邦準備銀行のデイリー総裁は、23日公表されたロイター通信とのインタビューで、FRBが0.25%の上げ幅で年内2回の追加利上げを実施するとの見方は「非常に妥当な」予測だと明言した。FRB高官らのタカ派寄りの発言を受けて、追加利上げ観測が再燃。利上げ局面の長期化に伴う景気減速に警戒感が広がった。
また外国為替市場では、対ユーロでドル高が先行。ドル建てで取引される商品に割高感が生じ、原油の売り圧力となった。また、S&Pグローバルが発表した6月の米製造業購買担当者景況指数(PMI)速報値が46.3と、半年ぶりの低水準となったほか、市場予想を下回ったことも売り材料視された。
ドル/円 NY終値 143.68/143.71
始値 143.26
高値 143.91
安値 142.77
ユーロ/ドル NY終値 1.0889/1.0893
始値 1.0867
高値 1.0901
安値 1.0867
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 96*20.50 3.8142%
前営業日終値 95*20.00 3.8730%
10年債(指標銘柄) 17時05分 97*01.00 3.7366%
前営業日終値 96*17.00 3.7990%
5年債(指標銘柄) 17時05分 98*11.50 3.9945%
前営業日終値 98*04.50 4.0440%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*02.75 4.7499%
前営業日終値 98*31.75 4.8000%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 33727.43 -219.28 -0.65
前営業日終値 33946.71
ナスダック総合 13492.52 -138.09 -1.01
前営業日終値 13630.61
S&P総合500種 4348.33 -33.56 -0.77
前営業日終値 4381.89
COMEX金 8月限 1929.6 +5.9
前営業日終値 1923.7
COMEX銀 7月限 2235.4 ‐11.3
前営業日終値 2246.7
北海ブレント 8月限 73.85 ‐0.29
前営業日終値 74.14
米WTI先物 8月限 69.16 ‐0.35
前営業日終値 69.51
CRB商品指数 262.9974 ‐2.7240
前営業日終値 265.7214
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