- 2023/06/27 掲載
米株式市場、ヘッジ付き大型ファンドの期末リバランス注視
JPモルガン・ヘッジド・エクイティー・ファンドは30日にオプションのポジションを乗り換える見通し。アナリストによると、こうした取引自体は市場参加者の多くにとって想定内だが、1日当たりの株式市場の動きを増幅したり、抑制したりする可能性がある。市場の流動性が低いときにはなおさらだという。
今のところ同ファンドの期末取引は株式市場のボラティリティーを抑えるのに寄与しそうだ。これは同ファンドが3月期末に行ったオプションのポジション調整で、6月末を期限とするS&P500種のオプション約12万枚を組み、権利行使価格がS&P500種の足元の水準より若干低い4320ドルに設定されたコールオプション4万枚近くの売却がその中に含まれるためだ。
オプション分析会社スポットガンマの創業者、ブレント・コチュバ氏によると、このため大手銀行や金融機関などオプションディーラーはS&P500種がこの水準より低ければ株を買い、高ければ株を売る方向に動きがちになる。アナリストによると、こうした取引は市場のボラティリティーを抑制するのに役立つ。
一方、資産運用会社や年金基金などの投資家は四半期中の株式や債券の値動きを見て資産配分を調整するため、四半期末にはかなりの規模の取引が行われる可能性がある。
JPモルガンは今月、ポートフォリオのリバランスのフローは、総額で約1500億ドル相当の株式の売りと同程度の債券の買いになる可能性があるとの見通しを示している。
先週、投資家の不安心理の度合いを示すボラティリティー・インデックス(VIX)が3年ぶりの水準に低下するなど米株式市場の動きは全体的に落ち着いている。しかし市場関係者の中には今後数日以内に乱高下が起きると予想する向きもある。
トールバッケン・キャピタル・アドバイザーズのマイケル・パーブズ最高経営責任者(CEO)は、「ちょっとしたノイズがあるかもしれない」と予想。「週末にかけて不安定で奇妙な動きになるだろうが、大きなトレンドの兆候という点ではそれほど重要ではないかもしれない」と述べた。
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