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  • 米欧英の中銀総裁、引き締め継続必要と主張 植田氏は緩和の正当性指摘 討論会

  • 2023/06/29 掲載

米欧英の中銀総裁、引き締め継続必要と主張 植田氏は緩和の正当性指摘 討論会

ロイター

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[シントラ(ポルトガル) 28日 ロイター] - 米欧英の中銀総裁は28日、欧州中央銀行(ECB)が主催する国際金融会議「ECBフォーラム」の討論会で、根強いインフレの抑制に向け一段の政策引き締めが必要としつつも、深刻な景気後退を引き起こすことなく物価安定を達成できるという認識を改めて表明した。

一方、これら3中銀総裁とは対照的に、日銀の植田和男総裁は緩和維持の正当性を主張。しかし、インフレの再加速を「合理的に確信」できれば、いずれ金融政策転換の根拠になり得るとも述べた。

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は、大半のFRB当局者が年内あと2回の利上げを見込んでいると述べ、次回7月の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げを実施する可能性を否定しなかった。

パウエル議長は「政策は十分な期間、十分に制約的ではなかった」とし、今後の会合での連続利上げの可能性を排除しないと言明した。

さらに物価上昇圧力緩和に向け、米労働市場は一段と減速する必要があると指摘。景気後退につながる「かなりの可能性」を認めつつも、「最も起こり得るシナリオではない」とした。

ECBのラガルド総裁は「基調的なインフレが低下基調にあることを示す十分な証拠はまだ得られていない」とし、ベースライン予測が維持されれば、ECBは7月に利上げを決定する「公算が大きい」との述べた。

その上で、ユーロ圏経済が年内に全面的な景気後退に陥る可能性はあるとしつつも、それはECBのベースライン予測ではないと強調した。

イングランド銀行(英中央銀行、BOE)のベイリー総裁は、主要7カ国(G7)で最も高い水準で推移するインフレに対応するため「必要なことをする」と言明した。

英中銀が先週実施した予想外の0.5%ポイント利上げは、2回連続で0.25%ポイント利上げを行うよりも望ましいとの見解を示した。

英中銀が年末までに金利を現在の5%から6.25%に引き上げるという観測が市場で織り込まれていることについては、市場の予想が正しいかどうかは「いずれ分かるだろう」と述べた。

植田総裁は、ヘッドラインインフレ率(総合インフレ率)は3%を超えているが、基調的インフレ率は日銀の目標である2%を下回っているため、金融緩和を続けているとし、緩和維持の正当性を主張した。

同時に、インフレ率が鈍化した後に2024年に再び加速することが「合理的に確信」できれば、日銀が金融政策を転換する十分な理由になるという見解を示した。

キャピタル・エコノミクスのチーフグローバルエコノミスト、ジェニファー・マッキーオン氏は、討論会で示されたタカ派的なトーンは金利がまだピークに達しておらず、当面利下げはない可能性を示唆していると指摘。ただ「トーンには興味深い違いがあった」とし、「FRBに比べ、ECBとBOEは賃金・物価スパイラルを懸念しているようで、欧州の金利が米国よりも長く高水準にとどまるというわれわれの見通しを裏付けている」と述べた。

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