- 2023/07/01 掲載
田植えイベントに全国から200人=「都会にない達成感」―新潟・まつだい棚田バンク
新潟県南部の十日町市松代の棚田で、全国から集まった棚田バンクの会員による田植えイベントが行われ、2日間で200人余りが参加、慣れない田んぼの泥に苦労しながら、心地よい汗を流した。
「まつだい棚田バンク」事務局のNPO法人越後妻有里山協働機構の主催。松代地域を中心に、担い手のいなくなった棚田を保全するため、会員(棚田オーナー)を募って運営資金をサポートしてもらい、入会コースの面積に応じて収穫した米を配当する。
松代地域には、美しい景観で全国的にも有名な「星峠の棚田」などもあるが、傾斜地に点在し、人口減少と高齢化で担い手も不足しており、農家から維持管理を引き継いでほしいとの依頼が増えているという。
このため同機構が棚田の所有者から土地を借り受け、スタッフたちが耕作や日常管理を行い、おいしい魚沼産のコシヒカリを育てている。今年度、バンクの棚田は計153枚、面積で約10ヘクタールに上るという。
田植えイベントには、機構スタッフであり、農業をしながらプレーする実業団女子サッカーチーム「FC越後妻有」の選手も参加。バンクの会員らは長靴に履き替えて田んぼに入り、地元農家の人の指導を受けて、泥に足を取られながら手植えで稲を植えていった。
会員が参加できるイベントは、田植えのほかにも、夏の草刈りと秋の稲刈りの年3回。関東から来た若い女性は「田植えと稲刈りの時に来させてもらい、都会にはない達成感が得られている。秋に届くお米は、自分が刈った稲が入っているかもしれないと思うといとおしく、とてもおいしく感じます」と話していた。
松代は3年に一度開催される「大地の芸術祭」の中心地。参加者たちは作業中、時折手を休めて、里山に設置された常設のアート作品を楽しんでいた。
【時事通信社】
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