- 2023/07/04 掲載
そごう・西武労組、募る不満=売却計画見えずスト準備
セブン&アイ・ホールディングス傘下の百貨店そごう・西武の売却計画を巡り、そごう・西武の労働組合がストライキという強硬手段の準備に入った。計画の詳細が見えないことに従業員の不安と不満が募っているためで、説明を求めて会社側に揺さぶりを掛ける。ストが実行されれば店舗運営に大きな影響が出るのは必至で、セブン&アイを含めた会社側は難しい対応を迫られる。
労組は3日、スト権確立の是非を問う投票実施を組合員に告示。確立には過半数の賛成が必要で、25日にも結果が公表される。同社の従業員約5000人のうち、8割は組合員。詳細は今後決めるが、ストを実行した店舗では消費者や取引先に混乱が広がりそうだ。
労組が強硬策に出る背景には、セブン&アイが売却計画に関し「守秘義務がある」として、情報開示に応じてこなかったことがある。売却先の米投資ファンドは池袋本店(東京都豊島区)などに家電量販店ヨドバシカメラの出店を計画。従業員の間では、百貨店の売り場縮小に伴うリストラへの不安が渦巻いている。
一方、百貨店売却を巡っては、セブン&アイも板挟みになっている。売却は昨年11月に決定したものの、今年2月の予定だったファンド側への譲渡は既に2度延期。池袋本店がある豊島区や地権者の西武ホールディングスが、ヨドバシの出店について「まちのにぎわいにも大きな影響がある」(高際みゆき豊島区長)などとして、難色を示しているためだ。
そごう・西武労組の寺岡泰博委員長は「(影響の大きい)ストをしたいわけではない」としつつ、「不誠実な対応に憤りを禁じ得ない」と怒りをあらわにする。セブン&アイは売却決着に加え、スト回避という新たな難題を背負った。
【時事通信社】 〔写真説明〕百貨店・西武池袋本店の外観=2022年2月5日、東京都豊島区
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