- 2023/07/04 掲載
ドイツ輸出、5月は予想外の減少 米・ロシア向け落ち込む
[ベルリン 4日 ロイター] - ドイツ連邦統計庁が4日発表した5月の貿易統計によると、輸出は前月比0.1%減少と予想外のマイナスになった。米国とロシア向けの輸出が大幅に落ち込んだ。
ロイターがまとめた市場予想は0.3%増だった。
INGのマクロ担当グローバル責任者、カルステン・ブルゼスキー氏は「貿易はもはや、かつてのようなドイツ経済の強靭性ある成長原動力ではなく、むしろ足を引っ張っている」と述べた。
サプライチェーン(供給網)のあつれき、より分断化された世界経済、中国が従来ドイツから購入していた財を製造できるようになりつつあることが輸出圧迫要因だと指摘した。
米国向けが3.6%減、ロシア向けが7.4%減となり、欧州連合(EU)向けは1.5%減少した。
ハウク・アウハウザー・ランペ・プリバトバンクのチーフエコノミスト、アレクサンダー・クルーガー氏は「米国向けの低迷は特に重大だ。このままなら輸出は再び四半期ベースで減少するだろう」と語った。
輸入は前月比1.7%増加した。
貿易収支は144億ユーロ(156億9000万ドル)の黒字で、前月の165億ユーロから縮小した。
IFOの調査担当責任者、クラウス・ボールラーベ氏は「ドイツ国内市場の需要低迷に加え、海外からの受注も減少している」と懸念を示した。
VPバンクのチーフエコノミスト、トマス・ギツェル氏は「景気回復が当面実現しないのではないかという疑念を再び強めるものだ」と語った。
おすすめコンテンツ
PR
PR
PR