- 2023/07/14 掲載
NY市場サマリー(13日)ドル下落、利回り低下 株4日続伸
主要通貨に対するドル指数は一時、15カ月ぶりの安値となる99.739を付けた。終盤の取引では約0.74%安の99.752。
ユーロ/ドルは16カ月ぶり高値を付けた後、終盤は0.9%高の1.1220ドル。ユーロは対ドルで年初来最長の6日続伸となる勢い。
ドル/スイス・フランは8年ぶりの安値となる0.8583フランを付けた後、約1%安の0.8588フランで推移した。
朝方発表された6月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前年比0.1%上昇し、2020年8月以来約3年ぶりの低い伸びにとどまった。前月比でも0.1%上昇と、いずれも市場予想を下回る伸びとなった。
12日発表された6月の米消費者物価指数(CPI)も約2年ぶりの小幅な伸びとなった。
金融市場はFRBが今月25━26日の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げに踏み切るとの見方を完全に織り込んでいる。
ドル/円は一時138.06円と、7週間ぶり安値に沈んだ。終盤は0.1%安の138.31円。
ポンド/ドルはは一時15カ月ぶりの高値となる1.3140ドルを付けた。その後は0.8%高の1.3073ドル。5月の英国内総生産(GDP)は前月比0.1%減と、市場予想(0.3%減)ほどは落ち込まなかった。
暗号資産(仮想通貨)のXRPは急騰。一時21年12月以来の高値を付けた後、終盤は75%高の0.8552ドル。XPRを巡る訴訟で、米判事がXRPを扱うリップル・ラボに有利な判決を下したことが材料視された。
<債券> 国債利回りが低下し、10年債利回りが2週間ぶり、2年債利回りが6月中旬以来の低水準を付けた。経済指標で米国のインフレが緩和していることが示され、FRBは今月の会合で0.25%ポイントの利上げを行った後は引き締めを停止するとの見方が強まっている。
労働省が朝方発表した6月PPIは前年比0.1%上昇し、2020年8月以来約3年ぶりの低い伸びにとどまった。
前日発表の6月CPIは前年比3.0%上昇。5月の4.0%から鈍化し、2021年3月以来約2年ぶりの小幅な伸びとなった。
ジャニー・モントゴメリー・スコット(フィラデルフィア)のチーフ債券ストラテジスト、ガイ・レバス氏は、生産者物価指数にはFRBがインフレ指標として注目する個人消費支出(PCE)に含まれる部分もあるため、生産者物価指数が低水準ならコアPCEも低下する可能性が高いと指摘。このことは、FRBがあと1回の利上げを行った後は利上げを停止するとの見方を裏付けていると述べた。
10年債利回りは10ベーシスポイント(bp)低下の3.761%と、6月29日以来の低水準。前週7日には4.094%と、8カ月ぶりの高水準を付けていた。
2年債利回りは13bp低下の4.614%と、6月14日以来の低水準。前週6日には5.12%と、2007年6月以来の高水準を付けていた。
2年債と10年債の利回り格差はマイナス85bpとに縮小。
財務省が実施した180億ドルの30年債入札は軟調。応札倍率は2.43倍と、6月の入札の2.52倍から低下した。最高落札利回りは3.910%と、入札前取引の水準を約2bp上回った。
今週実施された3年債とと10年債の入札はいずれも堅調な需要を集めていた。
<株式> 4日続伸。6月の米PPIが前年比で約3年ぶりの低い伸びにとどまったことを受けてテクノロジー株などに買いが先行した。
FRBが今月の会合で0.25%ポイントの利上げを実施後、引き締めを停止するとの見方が強まった。
ハイテク関連株がS&P総合500種の上昇に最も大きく寄与し、超大型テクノロジー株を中心に構成するニューヨーク証券取引所のFANG+インデックスは2.7%上昇し、終値で過去最高値を付けた。
半導体株も大幅高を演じ、エヌビディアは取引時間中の過去最高値を記録。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は2%高となった。
一方、8日までの1週間の新規失業保険申請件数は予想外に減少し、労働市場がなお引き締まった状態にあることが示され、楽観ムードにやや水を差した。
市場は今週始まる第2・四半期決算発表シーズンにも注目を移している。14日に発表を控えるJPモルガン・チェースは0.5%高で引けた。
食品・飲料大手ペプシコは2.4%急伸。年間の売上高と利益の予想について2回目の上方修正を発表したことを好感した。
グーグルを傘下に置くアルファベットは4.7%上昇。対話型人工知能(AI)「Bard(バード)」を欧州とブラジルでも展開すると発表した。
<金先物> インフレ鈍化を示す経済指標を受けて米利上げ局面の長期化懸念が後退する中、3日続伸し、前日に続き1カ月ぶり高値水準となった。8月物の清算値(終値に相当)は前日比2.10ドル(0.11%)高の1オンス=1963.80ドルだった。
<米原油先物> インフレ鈍化を示す米経済指標の発表を受け、利上げ局面の長期化懸念が後退する中、3日続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月8月物の清算値(終値に相当)は前日比1.14ドル(1.50%)高の1バレル=76.89ドル。9月物は1.22ドル高の76.76ドルだった。
石油輸出国機構(OPEC)の石油需要見通しも支援材料となったもよう。OPECは13日公表した月報で、今年の世界の石油需要見通しを従来予想から上方改定した。また、来年についても中国とインドによる燃料消費の拡大を主因に挙げ、国際エネルギー機関(IEA)の予想とは対照的に底堅い需要見通しを堅持した。
ドル/円 NY終値 138.03/138.06
始値 138.52
高値 138.95
安値 137.93
ユーロ/ドル NY終値 1.1224/1.1228
始値 1.1170
高値 1.1227
安値 1.1162
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 95*02.50 3.9055%
前営業日終値 94*10.00 3.9510%
10年債(指標銘柄) 17時05分 96*25.50 3.7673%
前営業日終値 96*01.50 3.8610%
5年債(指標銘柄) 17時05分 100*07.50 3.9472%
前営業日終値 99*22.00 4.0700%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*31.50 4.6324%
前営業日終値 99*25.00 4.7420%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 34395.14 +47.71 +0.14
前営業日終値 34347.43
ナスダック総合 14138.57 +219.61 +1.58
前営業日終値 13918.96
S&P総合500種 4510.04 +37.88 +0.85
前営業日終値 4472.16
COMEX金 8月限 1963.8 +2.1
前営業日終値 1961.7
COMEX銀 9月限 2494.9 +63.9
前営業日終値 2431.0
北海ブレント 9月限 81.36 +1.25
前営業日終値 80.11
米WTI先物 8月限 76.89 +1.14
前営業日終値 75.75
CRB商品指数 270.7393 +2.4405
前営業日終値 268.2988
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