- 2023/07/15 掲載
NY市場サマリー(14日)ドル反発、S&P小幅安 利回り上昇
終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数は0.2%高の99.923。一時は99.574と、15カ月ぶり低水準を付けていた。週初からは2.3%下落。週間ベースの下落としては昨年11月以来の大きさとなる。
今週のドルの下落は米労働省が発表した6月の卸売物価指数(PPI)と消費者物価指数(CPI)で加速。
ドルは対円で0.5%高の138.805円。この日は上昇したものの、週間ベースでの下落は1月以来の大きさになる見通し。
ユーロは対ドルでアジア取引時間帯に1.1245ドルと、16カ月ぶり高値を更新。その後は1.1229ドルに戻した。
ドルは対スイスフランで0.4%高の0.8621フラン。8年ぶり安値となる0.8568フランから戻した。
<債券> ミシガン大学の消費者信頼感調査で期待インフレが上昇したことを受け、10年債利回りが2週間ぶりの低水準から上昇した。ただ、米連邦準備理事会(FRB)の利上げサイクルは終了に近づいているとの観測を背景に、週全体としては利回りは低水準で推移した。
ミシガン大学の7月の消費者信頼感指数(速報値)は、雇用市場が堅調を維持していることなどを背景に、72.6と、2021年9月以来約2年ぶりの高水準に上昇。同時に、1年先のインフレ期待は3.4%、5年先のインフレ期待は3.1%に上昇した。
今週発表された6月の卸売物価指数(PPI)と消費者物価指数(CPI)は共に伸びが縮小。
市場では、0.25%ポイントの利上げが予想されている25─26日の連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見でのパウエル議長の発言が早くも注目されている。
10年債利回りは6ベーシスポイント(bp)上昇の3.819%。ただ、前週7日に付けた8カ月ぶりの高水準(4.094%)は下回っている。
2年債利回りは14bp上昇の4.751%。前週6日に付けた2007年6月以来の高水準(5.120%)には届いていない。
<株式> S&P総合500種が小幅安で取引を終えた。決算シーズンの幕開けとなった四半期決算を受け大半の銀行株が下落した。ただ、主要3株価指数は週間で上昇となった。
米金融大手JPモルガン・チェースは0.6%上昇したが、ウェルズ・ファーゴ(Wファーゴ)は0.3%安。両行とも四半期決算は増益となったが、商業用不動産(CRE)ローンに対する貸倒引当金を積み増したと発表した。
S&Pエネルギーが2.8%安となったほか、S&P金融が0.7%下げ、指数の重しとなった。
一方、予想を上回る好決算を発表した米医療保険大手ユナイテッドヘルス・グループが7.2%上昇。これが寄与しダウ工業株30種はプラス圏となった。他のヘルスケア株も買われ、ヒューマナが2.5%、シグナが4.7%それぞれ上昇した。
きょう発表された四半期決算が米第2・四半期決算シーズンの非公式な幕開けとなった。リフィニティブによると、アナリストはS&P構成500銘柄の利益が前年同期比8.1%減になると見込んでいる。
週間では、ダウが2.3%、S%Pが2.4%、ナスダック総合が3.3%それぞれ上昇した。S&P500は年初来で約17%上昇している。
他の金融株では、シティグループが4%安。第2・四半期決算が36%の減益となった。ブラックロックも1.5%安。四半期収入が減少した。
KBW地方銀行株指数は1.9%安となった。
超大型テクノロジー株を中心に構成するニューヨーク証券取引所のFANG+インデックスは下落。前日には終値で過去最高値を付けていた。
テスラは1.3%上昇。来週19日に決算発表が予定されている。
<金先物> 米利上げ長期化懸念の後退を背景とした買いが一巡し、ほぼ横ばいとなった。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は前日比0.60ドル(0.03%)高の1オンス=1964.40ドル。一方、週間では31.90ドル(1.65%)上昇した。
市場では今週、米連邦準備制度理事会(FRB)が重視するインフレ指標で価格上昇圧力の鈍化が示され、金融引き締め局面の終わりが近づいているとの期待が台頭。米長期金利が低下し、利子の付かない資産である金の投資妙味が強まる中、相場は約1カ月ぶりの高値水準に上昇した。この日は上げ一服感が広がったほか、長期金利が反転上昇したため、利益確定の動きや持ち高調整の売りが先行し、相場は一時1955ドル前後の水準まで下落。ただ、安値圏では押し目買いが入りやすく、下値は堅かった。 市場関係者の間では、相場は目先、レンジ内での取引にとどまるとみているが、FRBが9月会合以降の利上げ休止を示唆すれば、一段高になる可能性があるとの声が聞かれた。
<米原油先物> 利食い売りに押され4日ぶりに反落した。米国産標準油種WTIの中心限月8月物の清算値(終値に相当)は前日比1.47ドル(1.91%)安の1バレル=75.4 2ドルだった。週間では2.11%上昇した。9月物は1.44ドル安の75.32ドル。
6月の米消費者物価指数(CPI)に続き、6月の卸売物価指数(PPI)もインフレの鈍化を示す内容だったことを受け、米利上げ局面の長期化観測が後退。原油は前日買い進まれ、中心限月の清算値ベースで4月下旬以来約2カ月半ぶりの高値を更新した。この日はその反動から利益確定の売りが出やすかった。
ただ需給面に関しては産油国の供給混乱が相次いで報じられており、供給混乱が向こう数カ月の相場における需給逼迫(ひっぱく)への警戒感を高めるとの観測もくすぶっている。
ドル/円 NY終値 138.73/138.76
始値 138.6
高値 139.15
安値 138.35
ユーロ/ドル NY終値 1.1227/1.1231
始値 1.1219
高値 1.1244
安値 1.1211
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 94*23.50 3.9259%
前営業日終値 95*08.00 3.8950%
10年債(指標銘柄) 17時05分 96*09.50 3.8302%
前営業日終値 96*27.50 3.7590%
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*25.50 4.0453%
前営業日終値 100*09.25 3.9350%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*23.50 4.7677%
前営業日終値 100*00.75 4.6110%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 34509.03 +113.89 +0.33
前営業日終値 34395.14
ナスダック総合 14113.70 -24.87 -0.18
前営業日終値 14138.57
S&P総合500種 4505.42 -4.62 -0.10
前営業日終値 4510.04
COMEX金 8月限 1964.4 +0.6
前営業日終値 1963.8
COMEX銀 9月限 2519.4 +24.5
前営業日終値 2494.9
北海ブレント 9月限 79.87 ‐1.49
前営業日終値 81.36
米WTI先物 8月限 75.42 ‐1.47
前営業日終値 76.89
CRB商品指数 270.7903 +0.0510
前営業日終値 270.7393
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