- 2023/07/18 掲載
上期はアジア・マクロファンドが好調、日本株好調で中国は苦戦
[香港 17日 ロイター] - 調査会社ユーレカヘッジの集計によると、アジアに投資するマクロ系ヘッジファンドは、今年1─6月の平均リターンが6.1%となり、アジアに投資するヘッジファンド全体の1.1%を上回った。
アナリストは、アジアと欧米でインフレ動向がかい離していることが奏功し、年後半もアジアのマクロ系ファンドが利益を上げやすい環境は続くと予想している。マクロ系ファンドは、経済・物価の見通しに基づき幅広い資産に投資する戦略を採っている。
ケンブリッジ・アソシエーツのシニア投資ディレクター、ベンジャミン・ロウ氏は、大半のアジア・マクロ系ファンドは米銀行危機に際して米金利の混乱による影響を免れ、円安や中国経済再開といったテーマによって利益を上げたと説明。金利差に賭けるキャリートレードもリターンの向上に寄与したと述べた。
UBSグローバル・ウェルス・マネジメントのガンサー・ジョスト氏は「アジアのマクロ系ファンド運用者は、米国に対するこの地域全体の金利差を重要なリターンの源泉と見なしている」と語った。
株式ファンドの中では、日本株に特化したファンドのリターンが平均5.5%と好調だった。HFRI日本指数も6.7%上昇した。日経平均株価は上期に約33年ぶりの高値を付けている。
ケンブリッジのロウ氏は、日本に特化したファンドに関する投資家からの問い合わせが増えたと述べた。
これとは対照的に、中国は景気回復の勢いが予想より弱い上、地政学的なリスクも高まったため、中国に特化したファンドは苦戦。ユーレカヘッジの集計では、1─6月の平均リターンはマイナス3.6%で、HFRIの中国指数は0.3%下落した。
ロウ氏は「日本に特化したファンドの方が、中国に特化したファンドよりも相対的に好調だった」と語った。
*カテゴリーを追加して再送します。
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR