- 2023/07/18 掲載
欧州ソブリン債ファンド、第2四半期の資金流入が過去最高
高利回りと来年の欧州中央銀行(ECB)の利下げ観測が背景。
ユーロ圏債券の指標となるドイツ10年債利回りは14日時点で約2.44%。2年前はマイナス0.3%前後だった。イタリア10年債利回りは約4.14%。
UBSのマクロ金利ストラテジスト、EmmanouilKarimalis氏は「インフレ鈍化が予想されている局面で債券への資金流入は自然だ」とし、「マイナス成長を示唆する指標は多く、利上げサイクルも終了に近づいている」と述べた。
欧州ソブリン債には今年、大量の資金が流入しているが、これまでのところ債券価格は下落している。ユーロ圏のインフレが長期化しており、ECBが予想以上の利上げを実施しているためだ。
ただ多くの大手資産運用会社は、経済が減速し利上げ打ち止めとなれば、いずれ債券価格が上昇するとの見方を変えていない。
ジェフリーズの欧州担当チーフストラテジスト、Mohit Kumar氏は10年国債の買いを推奨。「経済見通しが悪化しており、中期的に長期のデュレーションが望ましい」と述べた。
欧州債投資では特に上場投資信託(ETF)の人気が高く、米資産運用会社ブラックロックのデータによると、今年上半期の欧州債券ETFへの資金流入は約360億ドルと記録的な高水準だった。
EPFRのデータによると、第2・四半期の欧州の投資適格社債ファンドへの資金流入額は191億9000万ドルで、2021年第3・四半期以来の高水準だった。
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR