- 2023/07/18 掲載
インタビュー:ツルハ、再編進む業界で今後も強み発揮=オービス日本社長
時国社長は、ツルハについて、これまでM&A(企業の合併・買収)を巧みに行い業容を拡大してきたとし「強みを出しやすくなっており、非常に良いポジショニングでこれからも強みを発揮していくと思う」と述べた。
オービスは、20数年前からドラッグストア業界に投資を行っており、現在、サンドラッグやクスリのアオキホールディングスを含め「片手よりも少し多い数の会社に対し、日本株ファンドのポートフォリオ4兆円のうちの10数%」を投資しているという。6月15日の大量保有報告書によると、オービスは業界大手のツルハ株を5.62%保有している。
ツルハに対しては、12.84%を保有する筆頭株主の香港の投資ファンド、オアシス・マネジメントがガバナンスに問題があるとして、取締役選任など9件の株主提案を行っている。セス・フィッシャー最高投資責任者(CIO)は、他のドラッグストアとの経営統合の可能性にも言及している。
時国社長は、オアシスの主張に対してのコメントは控えた。
時国社長は、ドラッグストアの成長ドライバーとして、1)合従連衡、2)調剤薬局からシェアを奪う、3)スーパーマーケットからシェアを奪う、という3つを挙げる。
大手企業の寡占になっている欧米に比べて細分化しており「ドラッグストア業界はまだ、いろいろなプレーヤーが乱立した業界になっている。合従連衡が起こることで、プライベートブランドの共有や調剤薬局の共有等のシナジーにより売上げが伸長するとともに、効率化が図られ、コストも削減できる」という。
ドラッグストア株は上がっているが、業界の根源的な価値自体も上がっており「引き続き割安感があり、持ち続けている、比較的稀有なセクター」と評価する。
ドラッグストア業界は、2022年度で8.7兆円の市場。上位10社で8割弱を占めており、業界では、これまでのような地方のドラッグストアの取り込みから、上位企業の再編、統合へとフェーズが移っていくことも予想されている。
*インタビューは14日に実施しました。
(清水律子 山崎牧子)
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