- 2023/07/19 掲載
そごう・西武、売却前進も=池袋店低層部、ヨドバシ断念
セブン&アイ・ホールディングス傘下の百貨店そごう・西武の売却手続きが前進する可能性が出てきた。ヨドバシホールディングスが西武池袋本店(東京都豊島区)1階主要部分など低層部への出店を断念する方向で最終調整に入り、譲歩する姿勢を見せようとしているためだ。この改装案に豊島区やそごう・西武労働組合などの賛同を得られるかが今後の焦点となる。
セブン&アイは昨年11月、ヨドバシと連携する米ファンドにそごう・西武を売却することを決定した。しかし、旗艦店へのヨドバシ出店に豊島区や労組の反対は根強く、売却時期は2度延期され決着が見通せない状況が続いている。
豊島区や商店街が反発するのは、地域のシンボルとされる百貨店の1階部分から海外高級ブランドが撤退し、主立った売り場が家電量販店になれば、「街のにぎわいにも大きな影響がある」(高際みゆき区長)と考えるからだ。労組は雇用維持に不安を抱いており、情報開示を求めてストライキを検討している。
ヨドバシはこうした懸念に配慮し、1階の主要部分のほか、駅の乗降客が流れ込む地下1階への入居も断念する意向だ。周辺はビックカメラやヤマダデンキの大型店がひしめく激戦区で、譲歩してでもターミナル駅直結という好立地を得たい考えとみられる。
セブン&アイは、この案を週内にも関係者に説明する予定だ。しかし、そごう・西武関係者からは「この程度の変更では不十分」との声も聞かれ、受け入れられるかどうか予断を許さない。
【時事通信社】 〔写真説明〕西武池袋本店=4日、東京都豊島区
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