- 2023/07/20 掲載
NY市場サマリー(19日)ポンド急落、10年債利回り低下 ダウ8連騰
<為替> 英ポンドが急落。英インフレ鈍化を示す指標が材料視された。また、ポンドはここ数週間上昇していたことから、利益を確定する動きが出たことも指摘された。一方、ドルは上昇した。
英国立統計局(ONS)が19日発表した6月の消費者物価指数(CPI)前年比上昇率は7.9%と、5月の8.7%から予想以上に鈍化した。2022年3月以来の低い伸びとなり、エコノミスト予想の8.2%も下回った。
市場では英CPI発表前、英中銀が8月3日の会合で0.5%ポイント利上げを実施する確率を約60%としていたが、CPIを受け、0.25%ポイント利上げの確率を60%とする見方を織り込んだ。
ポンド/ドルは一時、7月11日以来の安値となる1.2868ドルを付けた。終盤の取引では0.81%安の1.2929ドル。
ユーロ/ポンドは0.59%高の0.8662ポンド。
主要通貨に対するドル指数は0.32%高の100.26。
ユーロ/ドルは0.24%安の1.1202ドル。
ドル/円は0.55%高の139.62円。
来週25━26日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、0.25%ポイントの利上げが予想されている。
朝方発表された6月の米住宅着工件数は、一戸建て住宅と集合住宅の双方が減少したことで、年率換算で前月比8.0%減の143万4000戸となった。一方、一戸建て住宅の建設許可件数は中古住宅不足を反映し増加し、2022年6月以来の高水準を付けた。
欧州中央銀行(ECB)も来週の理事会で0.25%ポイントの追加利上げに踏み切ると見込まれている。
ECB理事会メンバーのストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁は、ECBが7月の理事会で0.25%ポイントの追加利上げを決定するかもしれないが、それ以上の引き締めは経済に打撃を与えかねないと述べた。
<債券> 10年債利回りが低下した。6月の米住宅着工件数が減少したことを受けた。
指標10年債利回りは4.5ベーシスポイント(bp)低下の3.744%。
一方、2年債利回りは住宅着工件数を受けて一時低下した後、1.1bp上昇の4.763%となった。
2・10年債の利回り格差はマイナス102.4bpとマイナス幅が拡大した。
米商務省が19日発表した6月の住宅着工件数(季節調整済み)は、一戸建て住宅と集合住宅の双方が減少したことで、年率換算で前月比8.0%減の143万4000戸となった。市場予想は148万戸だった。
連邦準備理事会(FRB)の年内の金利動向については様々な見解があるが、市場では来週7月25─26日のFOMCで0.25%ポイントの利上げが行われると予想されている。
<株式> 上昇して終了した。企業決算が注目される中、ダウ工業株30種は8連騰。ただマイクロソフトが下落したことでナスダック総合の上値は重かった。
銀行株は続伸し、S&P500銀行株指数は1.70%高となった。
ゴールドマン・サックスは0.97%上昇。第2・四半期の利益は3年ぶり低水準となったが、デービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)は投資銀行部門の回復について楽観的な見方を示した。
他の金融株では、シチズンズ・ファイナンシャルが6.39%、M&Tバンクが2.48%、それぞれ上昇した。第2・四半利益が市場予想を上回ったことが支援材料だった。
USバンコープも第2・四半期の金利収入が大幅増加し、6.46%上昇した。
KBW地銀指数は2.90%高。3日連続で上昇し、3月10日以来の高値で終了した。
マイクロソフトの下げはナスダックの上値を抑えた。 アップルが生成人工知能(AI)ツールの開発に取り組んでいるとの報道を受けてマイクロソフトは1.23%下落した。
エヌビディアも0.88%、アルファベットも1.40%下げた。
テスラは取引終了後に発表した決算を受け一時2%下げたが、その後戻した。第2・四半期決算は粗利益率が16四半期ぶりの低水準に落ち込んだ。
ネットフリックスも時間外取引で一時4.48%安。第2・四半期決算は利益が市場予想を上回った。
<金先物> 新規の手掛かり材料難から動意に乏しく、横ばいとなった。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は、前日比変わらずの1オンス=1980.80ドル。
市場関係者の間では、FRBがタカ派維持の姿勢を崩したと投資家が判断すれば、金相場は2000ドルの大台乗せになる公算が大きいと指摘する声が聞かれた。
<米原油先物> 米エネルギー情報局(EIA)が公表した原油在庫の減少幅が市場予想を下回ったことを受けて売りが優勢となり、反落した。米国産標準油種WTIの中心限月8月物は前日清算値(終値に相当)比0.40ドル(0.53%)安の1バレル=75.35ドルだった。9月物は0.37ドル安の75.29ドル。
EIAが発表した週間在庫統計では、原油在庫が前週比70万バレル減と、減少幅は市場予想(ロイター調べ)の240万バレル減を下回った。ガソリン在庫も110万バレル減(同予想160万バレル減)だった。需給が思ったほど引き締まっていないとの見 方から、中盤以降は売りに押された。
中国国家発展改革委員会(NDRC)が18日、景気刺激策を導入すると示唆。同国のエネルギー需要が拡大するとの期待感から、原油は一時プラス圏で推移する場面もあった。EIAが発表した在庫統計で米戦略石油備蓄(SPR)が増加したことが判明、これが原油相場を支えたとの見方もあった。
ドル/円 NY終値 139.67/139.70
始値 139.90
高値 139.99
安値 139.41
ユーロ/ドル NY終値 1.1198/1.1202
始値 1.1216
高値 1.1225
安値 1.1175
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 96*06.00 3.8406%
前営業日終値 95*05.00 3.9010%
10年債(指標銘柄) 17時05分 96*30.50 3.7483%
前営業日終値 96*20.00 3.7890%
5年債(指標銘柄) 17時05分 100*02.50 3.9820%
前営業日終値 100*00.00 4.0000%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*23.50 4.7681%
前営業日終値 99*24.38 4.7530%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 35061.21 +109.28 +0.31
前営業日終値 34951.93
ナスダック総合 14358.02 +4.38 +0.03
前営業日終値 14353.64
S&P総合500種 4565.72 +10.74 +0.24
前営業日終値 4554.98
COMEX金 8月限 1980.8 ‐0.0
前営業日終値 1980.8
COMEX銀 9月限 2538.7 +13.1
前営業日終値 2525.6
北海ブレント 9月限 79.46 ‐0.17
前営業日終値 79.63
米WTI先物 8月限 75.35 ‐0.40
前営業日終値 75.75
CRB商品指数 273.0922 +1.2352
前営業日終値 271.8570
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