- 2023/07/20 掲載
貿易収支6月は23カ月ぶり黒字、自動車輸出伸び 季調値も赤字縮小
[東京 20日 ロイター] - 財務省が20日発表した貿易統計速報によると、6月の貿易収支は430億円の黒字となった。黒字は2021年7月以来23カ月ぶり。原油輸入が減少する一方、自動車などを中心に対外輸出が増えた。季節調整値でも赤字額を縮小した。
貿易収支のうち、輸出は前年同月比1.5%増の8兆7441億円だった。対前年対比でのプラスは28カ月連続で、同省によると、自動車や建設用・鉱山用機械、船舶などが輸出増に寄与した。
輸出先は、米国向けが前年同月比11.7%増の1兆7388億円となった。欧州連合(EU)向けは15.0%増の9181億円だった。大型連休明けに企業が生産活動を復調させ、対外輸出を増やしたとみられる。
一方、アジアや中国向けの輸出額はそれぞれ前年の水準を割り込んだ。アジア向けは前年同月比8.4%減の4兆5056億円だったほか、中国向けは11.0%減の1兆5183億円にとどまった。半導体電子部品などがマイナス寄与となった。
6月の輸入は前年同月比12.9%減の8兆7010億円と、3カ月続けて減少した。原油価格が落ち着き、資源輸入額が引き続き減少した。
ロイターが民間調査機関17社を対象に集計した同月の収支額(予測中央値)は467億円の赤字だった。
<季調値赤字は28.2%縮小>
例年6月は大型連休明けの生産復調で輸出が伸びやすい季節性があるが、季節調整値でも5532億円の赤字と、対前月比で赤字額が28.2%縮小した。
昨年のピークからは赤字額が4分の1程度まで縮減しており、専門家からは「外需が低迷しつつも、供給制約のショックが和らぎ、自動車を中心に輸出持ち直しの動きがみられる。基調として赤字が縮小していく可能性がある」(SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミスト)との声が出ている。
ロシアによるウクライナ侵攻を背景とする資源高や、為替円安が直撃した昨年夏以降は2兆円台の赤字が続いていた。
*財務省の発表資料は以下のURLをクリックしてご覧ください。
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