午後3時のドルは139円前半、中銀ウィーク控え方向感定まらず

［東京　２０日　ロイター］ - 午後３時のドル／円は、前日ニューヨーク市場終盤の水準から小幅にドル安／円高の１３９円前半で取引されている。ドルは仲値にかけて１３９．７０円まで上昇したが、その後はやや売りに押される展開となった。オーストラリアで発表された６月の雇用統計が上振れ、豪ドルが買われる裏でドルが売られた。

一方、来週の中銀イベントを控えてポジションを積極的に構築する動きは限定的との見方もあり、方向感のない値動きとなった。

市場では「特段、大きなフローが出ているわけではなく、先週一気に進んだドル安の分を戻している印象」（国内銀行・為替営業担当）との声が聞かれた。ただ、ドルが下落する局面では買われ、上値では売られるなど、一方向に動いている感じではないという。

植田和男日銀総裁が１８日に、持続的・安定的な物価２％目標達成には「まだ距離がある」との認識を示したことで、金融政策の早期修正観測が後退したとの見方も複数聞かれた。ニッセイ基礎研究所の上席エコノミスト・上野剛志氏は、７月の日銀会合での政策変更はないと予想しつつも、「足元の為替市場は材料に一喜一憂しており、ドル／円の方向性を見出すのが難しくなっている」と指摘する。

日銀会合で現状維持が決定された場合は円安に振れやすい一方、植田総裁が記者会見で今後の政策に対してどのようなトーンで話すのかを見極める必要があるという。「仮に、ＹＣＣ（イールドカーブ・コントロール）修正の必要性が差し迫っていないと受け止められた場合は、ドルは１４３円程度まで上昇する可能性もありそうだ」（上野氏）との見方が聞かれた。

豪ドル／円は９５円前半でじり高。豪連邦統計局が２０日発表した６月の雇用統計は、就業者数が２カ月連続で市場予想を大幅に上回った。失業率は５０年ぶり低水準付近を維持し、労働市場の逼迫が続いていることを示唆した。

ドル／円　　　ユーロ／ドル　ユーロ／円

午後３時現在　１３９．３３／３５　１．１２１５／１９　１５６．２８／３２

午前９時現在　１３９．６０／６２　１．１２０３／０７　１５６．４１／４５

ＮＹ午後５時　１３９．６７／７０　１．１１９８／０２　１５６．４４／４８