- 2023/08/25 掲載
風評対策へ「万全期す」=処理水放出で損害分賠償―東電
東京電力が福島第1原発の敷地内にたまる処理水の海洋放出を開始した。放出は廃炉が完了するまで30年程度続く息の長い事業で、水産物の買い控えなどが懸念される。東電は風評被害が生じた際に賠償する方針で、廃炉作業の貫徹に向け、風評対策に万全を期す構えだ。
「信頼を受け続けるべく、風評対策をすることが極めて重要。廃炉が終わるまで、しっかり努める」。放出開始を受けて開いた記者会見で、東京電力ホールディングスの小早川智明社長はこう強調した。
賠償の対象は、処理水を放出する前から事業を営んでいる事業者で、取引先が受けた風評被害により損害が生じた場合も対象となる。漁業や農業、観光業などを念頭に置く。価格下落や売り上げ減少による損害分を東電が支払う形だ。
10月2日から賠償請求の手続きを始める。東電は統計データなどから対象地域ごとに被害の有無を確認し、各事業者の賠償額を算定。諸外国での禁輸措置や輸入制限により、輸出が減少した場合も賠償する。
小早川氏は「放出に伴う懸念は子々孫々まで安心したなりわいを続けられないということだ」と述べ、廃炉が完了するまで責任を持って対応する考えを示した。
【時事通信社】
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