- 2023/08/26 掲載
NY市場サマリー(25日)ドル横ばい、利回り・株価上昇
<為替> ドルが横ばい。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の発言を受け、一時は堅調に推移した。
パウエル議長は米ワイオミング州で開催中の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)で講演し、一段の金融引き締めを実施すべきかどうかの決定は「慎重に進める」としつつも、FRBは依然としてインフレが目標の2%に回帰するために政策金利が十分に高いとは結論付けていないと強調した。
ドル指数は一時、6月1日以来の高値となる104.44まで上昇。終盤はほぼ横ばいの104.06ドルとなった。
同指数は週間で0.6%上昇し、6週連騰を記録する基調にある。
議長発言を受け、金利先物市場ではFRBが11月と12月の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げを決定する確率がやや上昇した。
一方、ユーロとポンドは今週、企業活動の軟化を示す経済指標を受けて下落。投資家はユーロ圏と英国の追加利上げ見通しを後退させている。
ユーロは0.01%安の1.08085ドル。ポンドは0.03%安の1.2597ドルと、6月13日以来の安値をつけた。
円には依然として日本の当局による介入警戒感が根強い。ドル/円は0.31%高の146.28円だった。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは0.49%下落し、3日ぶりの安値となる2万6039ドルだった。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 米債利回りが上昇した。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長がインフレを確実に抑制するために一段の利上げが必要となる可能性があるという認識を示したことを受けた。
パウエル議長は米ワイオミング州で開催中の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)で講演し、一段の金融引き締めを実施すべきかどうかの決定は「慎重に進める」としつつも、FRBは依然としてインフレが目標の2%に回帰するために政策金利が十分に高いとは結論付けていないと強調した。
指標10年債利回りは1ベーシスポイント(bp)上昇の4.245%となった。
2年債利回りは4.4bp上昇し5.063%となった。
2・10年債の利回り格差はマイナス81.9bp。
30年債利回りは0.3bp低下の4.299%。
物価連動国債(TIPS)と通常の国債の利回り差で期待インフレを示すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、5年物が2.274%、10年物は2.322%となった。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> 上昇して取引を終えた。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長はインフレを確実に抑制するために一段の利上げが必要となる可能性があるという認識を示したことを消化した。
この日の米主要株価指数は堅調な上昇で始まったが、その後は上昇幅の拡大と縮小を交互に繰り返した。
S&P500の主要セクター全てが上昇。エネルギー、一般消費財、情報技術などが上昇上位を占めた。
週間ではS&P総合500種とナスダック総合が上昇。ナスダックは約2.3%高となり、4週ぶりに反発した。
CMEグループのフェドウオッチによると、パウエル議長の講演を受け、11月の利上げ確率が前日から上昇。一方、9月は利上げが見送られるとの見方が大勢となっている。
小売株では、米衣料品小売大手ギャップが7.2%上昇。第2・四半期決算は利益が市場予想を上回った。一方、米百貨店ノードストロームは7.7%安。業績予想を据え置いたことを受けた。
米製菓ホステス・ブランズは21.7%急騰した。身売りを検討するとのロイター報道を受けた。
マーベル・テクノロジーは6.6%下落。第2・四半期の減収を受けた。
米ハワイ州最大の電力会社ハワイアン・エレクトリック・インダストリーズは18.5%安。米ハワイ州マウイ島で発生した山火事を巡り、同島マウイ郡がハワイアン・エレクトリックを州の裁判所に提訴したことを受けた。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の講演をきっかけに米利上げ局面長期化への懸念が再燃し、続落した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前日比7.20ドル(0.37%)安の1オンス=1939.90ドルだった。
パウエル議長の講演が利上げに積極的なタカ派的な発言だったため、金利を生まない資産である金には弱材料との受け止め方から、発言後には一時1931.00ドル近辺まで下落した。講演直前には思惑的な買いから1950ドル台まで上昇する場面があり、発言の前後でやや不安定な値動きとなった。 外国為替市場では対ユーロでドル高が進行したことや、米長期金利が一時上昇したことも圧迫要因となった。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> 需給引き締まり観測を背景とした買いに続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月10月物は前日清算値(終値に相当)比0.78ドル(0.99%)高の1バレル=79.83ドルだった。11月物は0.83ドル高の79.49ドル。石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」は、 世界の石油市場の安定化を確保するため、現行の協調減産を当面維持する見通し。主導役のサウジアラビアは日量100万バレルの自主減産を9月も継続すると表明。さらに一部のアナリストは、サウジが10月も自主減産を延長すると予想している。需給逼迫(ひっぱく)への警戒感が根強く、原油買いが先行した。
ただ、買い一巡後は朝方の上げ幅を縮小。相場はいったん80ドル台を回復すると、利益確定や持ち高調整の売りに押され、マイナス圏に沈む場面もあった。西部ワイオミング州で開催中の「ジャクソンホール会議」で、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が午前に講演し、米国のインフレについて鈍化傾向を認めるものの、依然高過ぎるとの見解を改めて表明。この上で、「適切ならば利上げの用意がある」と強調したため、景気や原油需要の先行き懸念が再燃し、相場の重しとなった。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 146.41/146.44
始値 145.93
高値 146.63
安値 145.74
ユーロ/ドル NY終値 1.0800/1.0804
始値 1.0801
高値 1.0841
安値 1.0767
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 97*13.00 4.2793%
前営業日終値 97*01.00 4.3020%
10年債(指標銘柄) 17時05分 97*04.00 4.2314%
前営業日終値 97*03.00 4.2350%
5年債(指標銘柄) 17時05分 98*20.25 4.4365%
前営業日終値 98*24.50 4.4060%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*12.88 5.0779%
前営業日終値 99*16.25 5.0190%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 34346.90 +247.48 +0.73
前営業日終値 34099.42
ナスダック総合 13590.65 +126.67 +0.94
前営業日終値 13463.97
S&P総合500種 4405.71 +29.40 +0.67
前営業日終値 4376.31
COMEX金 12月限 1939.9 ‐7.2
前営業日終値 1947.1
COMEX銀 9月限 2423.4 +0.4
前営業日終値 2423.0
北海ブレント 10月限 84.48 +1.12
前営業日終値 83.36
米WTI先物 10月限 79.83 +0.78
前営業日終値 79.05
CRB商品指数 278.2010 +2.3683
前営業日終値 275.8327
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR