- 2023/08/29 掲載
不信募り最終手段に=60年ぶりストを予告―そごう・西武労組
セブン&アイ・ホールディングス傘下の百貨店そごう・西武の労働組合が、雇用維持を求めて31日のストライキ実施を予告した。顧客や取引先に多大な影響をもたらすストは、百貨店ではここ約60年行われていない最終手段だ。背景には、セブン&アイに対する不信がある。
ストの対象となる西武池袋本店(東京都豊島区)は1日10万人以上が来店し、そごう・西武全体の売り上げを支える旗艦店。ストで休業になれば、テナントなど取引先に混乱が生じ、評判にも傷が付く。
それでもストを予告したのは、セブン&アイへの不満がピークに達したためだ。同社は昨年11月、そごう・西武を米投資ファンドに売却することを決めた。しかし、労組に対しては「直接の雇用者ではない」(セブン&アイ関係者)ことを理由に売却計画についてほとんど説明してこなかった。
さらに、今年8月1日には意向に沿わない林拓二そごう・西武社長(当時)を解任。セブン&アイから取締役を相次ぎ送り込むなど、そごう・西武側の反発を露骨に押さえ込もうとする動きも表面化。「売却を進めようと前のめり感が見え隠れしている」(寺岡泰博労組委員長)として、23日と28日に開かれた労使協議でも溝が埋まることはなかった。
セブン&アイは9月1日の株式譲渡を目指し、8月31日にも取締役会を開いて最終決定したい考え。一方、労組は「譲渡の意思決定を行わないことが明確になれば(ストは)回避する」としている。ストが行われるか否か。ボールは会社側にある。
【時事通信社】 〔写真説明〕記者会見するそごう・西武労組の寺岡泰博委員長(奥右から4人目)ら=28日午後、東京都豊島区
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