- 2023/08/29 掲載
電池大手AESC、国内生産増強で1000億円投資 ホンダ・マツダにも供給
茨城工場(茨城県茨城町)第1棟はすでに500億円を投資し、ホンダと日産自動車向けに供給する。さらに500億円を投じて第2棟を完成させ、マツダ向けなどを生産する。今後も供給先を増やして、投資額はまだ未定だが、第3棟の建設も計画する。
同社は同日、茨城工場の竣工式を開いた。同工場は各国で建設中の工場にノウハウなどを展開するマザー工場。従来型よりエネルギー密度を1.3倍に高め、充電速度を35%短縮した次世代電池を第1棟で2024年3月から量産を始める。第2棟は同年秋に竣工する予定。
生産能力は当初60KWh(キロワット時)のEV10万台以上に相当する60GWh(ギガワット時)で始め、将来的に20GWhまで引き上げる。
松本社長によると、銀行借り入れや各国の政府補助金、ファンドなどを引受先とする増資などを進め、設備投資資金を調達する。独自開発の全固体電池については、「27年には技術的に完成できるようにし、28年以降から量産を始めたい」と述べた。
現在は座間工場で日産、三菱自動車向けを供給しているが、茨城工場からはホンダが24年に投入する商用軽自動車のEV向け、マツダにも供給する予定だ。
米国新工場からは独メルセデス・ベンツグループや独BMWに供給する。同社は1割程度にとどまる日産以外の自動車メーカーとの取引比率を25年をめどに5割まで引き上げる方針。
同社は、米国、英国、フランス、スペイン、中国、日本の6カ国で電池工場を建設中で、世界の電池生産能力を26年に400GWh以上と現在の約20倍に引き上げ、25年─26年には世界の車載電池市場シェアを約15%と現状の5倍に拡大することを目指す。
AESCは07年に日産自動車や日本電気などによる合弁会社「オートモーティブエナジーサプライ」として設立。10年に発売した日産の主力EV「リーフ」向け電池を初代から供給してきた。
19年には再生可能エネルギー関連企業の中国エンビジョングループの傘下に入り、資本構成はエンビジョングループが80%、日産が20%となったが、AESC広報によると、現在は増資を経て、エンビジョングループの出資比率は下がり、日産の出資比率も10%台に低下しており、6月には社名を「エンビジョンAESC」から「AESC」に変更した。
おすすめコンテンツ
PR
PR
PR