- 2025/08/23 掲載
医療や農業、アフリカで=日本企業、TICADで商機を探る
横浜市で22日まで開かれた第9回アフリカ開発会議(TICAD9)に合わせたビジネスイベントで、日本企業各社は医療や農業など幅広い事業を展示した。日本ならではの技術やサービスでアフリカに進出しようと商機を探る各社の展示を、訪れたアフリカのビジネスパーソンが食い入るように見たり、説明に耳を傾けたりしていた。
豊田通商は、トヨタ自動車のスポーツ用多目的車(SUV)「ランドクルーザー」を改造したワクチン保冷輸送車を展示。ワクチンは熱に弱く、遠隔地に届くまでに一定の温度を超えると使えなくなってしまうが、この車両は電源がなくても約16時間冷蔵庫が稼働できるという。ケニアから来た男性は、「輸送で日本企業と提携できないか機会を探している」と、担当者と真剣に意見交換した。
富士フイルムは、バックパックで持ち運べるX線撮影装置を公開。アフリカでは都市部の病院でしか結核の検査ができず、地方で感染が拡大してしまうという問題がある。装置は約4キロと軽量で充電式となっており、地方での検査の普及を後押しすることが期待される。
NECは、アフリカでのコメ栽培で、かんがい設備や栽培品種の変更といった気候変動への対策を導入した場合の投資効果を、人工知能(AI)の活用により分析した成果を披露した。
主催した日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、イベントには約200社・団体が出展。商慣行や法制度の違いからアフリカビジネスは容易でないとの見方も多いが、担当者は「信頼できる連携先を見つけることが重要」と話していた。
【時事通信社】 〔写真説明〕TICADのビジネスイベントに出展した豊田通商のブース=22日、横浜市 〔写真説明〕TICADのビジネスイベントで富士フイルムが公開したX線撮影装置=20日、横浜市
最新ニュースのおすすめコンテンツ
PR
PR
PR