- 2023/09/30 掲載
米コアPCE価格指数、8月の伸び2年ぶり4.0%下回る 基調圧力軽減
[ワシントン 29日 ロイター] - 米商務省が29日発表した8月の個人消費支出(PCE)価格指数は、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数の伸びが前年同月比3.9%と、前月の4.3%から減速し、2021年6月以降で始めて4.0%を下回った。基調的なインフレ圧力の軽減が示されたことで、米連邦準備理事会(FRB)が次回10月31─11月1日の会合でも政策金利を据え置く可能性がある。
コアPCE価格指数は前月比で0.1%上昇。7月は0.2%上昇していた。
ただガソリン価格の高騰により、PCE価格指数は前年同月比で3.5%上昇し、伸びは7月の3.4%から拡大した。前年同月比での上昇率は昨年の比較ベースが低かったことも反映している。前月比では0.4%上昇。7月は0.2%上昇だった。
ハイ・フリークエンシー・エコノミクス(ニューヨーク州)のチーフ・エコノミスト、ルベーラ・ファローキ氏は「今後は経済成長ペースが鈍化すると同時に、物価上昇圧力は一段と緩和していく予想される」とし、「FRBは年内は据え置く可能性がある」と述べた。
<新たな「スーパー・コア」インフレ指標導入>
商務省は8月の統計から、食品・エネルギー・住宅を除くPCE価格指数のほか、エネルギー・住宅を除くPCEサービス、という新たな物価指標を導入。いわゆる「スーパー・コア」インフレ指標とされる。
食品・エネルギー・住宅を除くPCE価格指数は0.1%上昇。前月は0.2%上昇だった。
エネルギー・住宅を除くPCEサービスは0.1%上昇。前月は0.5%上昇だった。
政策当局者は、インフレとの戦いの進捗状況を見極めるため、スーパー・コア指数に注目しているという。
<個人消費増加>
8月の個人消費支出(PCE)は前月比0.4%増加した。7月は前月比0.9%増と、前回発表の0.8%増から上方改定された。ロイターがまとめた市場予想は0.4%増だった。個人消費は米国の経済活動の3分の2超を占める。
個人消費増加の一部は物価上昇を反映した。米エネルギー情報局(EIA)によると、ガソリン価格は8月の第3週に1ガロン=3.984ドルと今年に入ってからの最高値を付けた。7月の第3週は1ガロン=3.676ドルだった。
インフレ調整後の個人消費支出は0.1%増。前月は0.6%増加した。エコノミストの間で、個人消費は第2・四半期に減速したものの第3・四半期には再び加速するとの見方が出ている。
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