- 2025/08/20 掲載
インドネシア中銀、予想外の利下げ 景気支援へ追加緩和も
中銀は、主要政策金利の7日物リバースレポ金利を0.25%引き下げ5.00%とした。利下げは昨年9月以来5回目。翌日物の預金ファシリティー金利と貸出ファシリティー金利も同幅引き下げ、それぞれ4.25%、5.75%とした。
ロイターのエコノミスト調査では、据え置き予想が大半で利下げ予想は29人中5人だけだった。
ペリー・ワルジヨ総裁は記者会見で、今回の決定は低インフレ、通貨ルピアの安定という予想、成長を支える必要性を踏まえたものだと述べた。
2025年の成長率は中銀の予測レンジ4.6─5.4%の中間点を上回る5.1%程度と予想し、24年の5.03%から加速を見込んだ。
「経済のキャパシティーはなお需要を上回っている。だから利下げした。今後もさらに利下げする余地があるか評価していく」と述べた。
金融緩和や政府の支出拡大を理由に年後半の成長については明るい見通しを示した。
第2・四半期の成長率は2年ぶりの高水準だったが、エコノミストからは、内需の弱まりを示す指標があるとして疑問視する声や、今後米国の関税の影響が出るとの指摘が出ている。
今第3・四半期の需要が弱い兆しとして、7月の融資は22年3月以来の弱い伸びだった。中銀は、銀行が余剰資金を貸し出しに回さず証券に滞留させており、貸出金利の低下も鈍いと指摘した。
キャピタル・エコノミクスのアナリストは「中銀は明らかに景気支援の姿勢だ。インフレが抑制されルピアが安定していれば、向こう数カ月にさらなる緩和の余地があるだろう」と述べ、年末までに7日物リバースレポ金利が4.50%まで下がると予想した。
メイバンクのエコノミストは「上半期の成長は予想以上だったと言えるが、下半期は米関税引き上げや消費者心理の脆弱さを考えると厳しい」と指摘。年内にさらに0.5%の利下げ、来年も0.5%の利下げを予想した。プラボウォ大統領は先週、26年の成長率目標を5.4%とした。
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