- 2023/10/02 掲載
印ベタンタ、財務立て直しで事業6分割 上場を計画
[ベンガルール 29日 ロイター] - 大富豪のアニル・アガルワル会長が率いるインドの金属・石油コングロマリットのベダンタは29日、財務立て直しのため事業を6分割する抜本的な見直しに着手した。ベダンタの親会社で英国に本拠を置くベダンタ・リソーシズも、格付け会社のS&Pグローバル・レーティングによる同社格付けの引き下げやクレジット・ウォッチ指定を受けており、財務面の対応を急ぐ。
年初からこれまでにニフティ・メタル指数(NFTYMET)は2%近く上昇したものの、ベダンタ株は28%下落。金属価格安に伴う業績不振が続いた上、鴻海科技集団(フォックスコン)がベダンタと共同で立ち上げた195億ドルの半導体合弁事業から撤退したことが響いた。
事業分割後にベダンタ・アルミニウムやベダンタ・オイル&ガス、ベダンタ電力、ベダンタ鉄鋼・鋼材、べダンタ・ベースメタル、ベダンタの6事業は株式上場が計画されている。アガルワル会長は声明で「各事業の価値と、一段と早い成長の可能性を引き出すことができると確信している」と述べた。
ベダンタ・リソーシズはベダンタ株の63.76%を保有する。コーポレートガバナンスや議決権行使助言のインガバーン・リサーチ・サービシズ創業者のシュリラム・スブラマニアン氏は「ベダンタ再編でベダンタ・リソーシズは今後、保有するベダンタ株を売って債務負担を一段と軽減できるだろう」と話した。
ベダンタ株の時価総額は100億ドル。6分割後、株主はベダンタ株1株に対し新規上場予定5社の株をそれぞれ1株追加で受け取る。
アガルワル会長は2020年、ベダンタ株の非上場化を試みたが失敗した。今年に入ってベダンタ・リソーシズの亜鉛関連資産の一部を傘下のヒンドゥスタン亜鉛に29億8000万ドルで売却し、ベダンタ・リソーシズの負債を削減しようと試みたものの、インド政府の反対に直面していた。
再編プロセスは承認を条件に25年度までに全て完了する予定だ。
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