- 2023/10/02 掲載
内定式、対面重視に=主要企業で復活広がる
2024年春に入社予定の学生らを対象にした内定式が2日、主要企業で開かれた。新型コロナ禍で定着しつつあったオンライン方式から、対面型に戻す動きが広がっており、就職支援サービスを手がける学情の調査によると、内定式の対面開催の比率は9割を超えた。人手不足の中で学生をつなぎ留めるため、内定式でも対話を重視する企業の姿勢が鮮明となってきた。
NECは、約600人を東京都内の本社に集め、午前と午後に分け、7年ぶりの対面開催。地方在住の内定者への配慮などから、コロナ前の17年からオンライン方式を続けてきた。しかし、「社員や同期と直接会いたい」との声が高まったため、対面に戻した。車いすテニスの第一人者として活躍した国枝慎吾さんがサプライズゲストとして登壇し、「小さな変化が大きな違いを生むということを感じながら働いてほしい」とエールを送った。
武田薬品工業も都内の本社で19年以来4年ぶりとなる対面の内定式を開き、35人が出席した。研究職で採用された中国出身の趙凡さん(27)は「病気で苦しむ患者さんに、革新的な医薬品を届けたい」と抱負を語った。同社の日本人社員の割合は会社全体の12%にとどまるが、内定式は日本独自のイベントとして続けている。
このほか、ローソンは105人が参加し、懇親会付き内定式を開催。P&Gジャパン(神戸市)は約100人の内定者が自由な服装で会場に集まり、担当者の英語スピーチに耳を傾けた。
数百人の内定者を抱える大手企業では、「交通の利便性などを考慮するとオンラインの方が便利」(三菱電機)としているケースもあるが、「丁寧なコミュニケーションを重視する」(NEC)ため、対面での開催が引き続き主流となりそうだ。
【時事通信社】 〔写真説明〕NECの内定式で、内定者と会話する国枝慎吾さん(左)=2日、東京都港区 〔写真説明〕東京都内の本社で開かれた武田薬品工業の内定式=2日午後、東京都中央区 〔写真説明〕ローソンの内定式=2日午後、東京都中央区 〔写真説明〕P&Gジャパンの内定式で、執行役員(奥)の英語のスピーチを聞く内定者ら=2日午後、東京都中央区
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