• 2023/10/04 掲載

米長期債利回り上昇、現時点で経済の脅威でない=FRB当局者

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Howard Schneider

[アトランタ 3日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)当局者は米長期債利回りの上昇について、金融引き締めが機能している証拠と受け止めているが、少なくとも現時点では経済を脅かしていないとしている。

アトランタ地区連銀のボスティック総裁は3日、米国債利回りがこのところ比較的急速に上昇していることについて、「複雑」でFRBの政策に対する通常の金利反応から外れていると指摘した。

ただ、FRBにとって重要なのはこうした金融情勢の変化が消費者と企業の投資や消費にどう影響するかだとし、「金融情勢の引き締まりはわれわれの政策が生み出そうとしていることの一部であり、経済的結果の変化に反映される必要がある」と指摘。「今日までの反応の程度は、『通常の引き締めサイクル』で起こる範囲を逸脱しているとは思わない」と述べた。

同時に、昨年3月以降に実施された計5.25%ポイントの利上げに米経済がまだ適応過程にあるとみられることなどから、FRBはさらなる利上げには「忍耐強い」アプローチで取り組む必要があると強調。金融情勢の変化に伴い経済がどの程度のペースで減速するか見極める時間を確保するためにも、さらなる利上げを急がない立場を示した。

一方、クリーブランド地区連銀のメスター総裁は、現在のような経済状況が続けば、次回の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げを排除しない考えを示した。債券利回りの上昇を注視しているとも述べた。

「(債券利回りを)注視する必要がある。われわれの政策の方向性だけでなく、経済動向にも影響を及ぼす」とし、「今後1年にわたり金利の引き締まりや上昇は経済に影響を与える見通しで、金融政策を決定する際にはそれを考慮しなければならない」と語った。

<多くのことが進行中>

長期金利の大幅上昇は企業の資金調達コストや住宅ローン金利の上昇につながりかねず、エコノミストは要因を理解しようと躍起になっている。

ボスティック総裁は「多くのことが起こっていて、私が全ての答えを持っているとは言えない」と語った。

FRBのタカ派姿勢はもはや利回り上昇の主要因ではないかもしれない。

アポロ・グローバル・マネジメントのチーフエコノミスト、トーステン・スロック氏は、投資家が長期債保有に対し求める上乗せ金利である「ターム(期間)プレミアム」が再び影響しつつあるとみている。

ニューヨーク連銀が公表する10年債のタームプレミアムの指標は約2年ぶりにプラスに転じた。

スロック氏は先週のリポートで、利回り急上昇と関連タームプレミアム上昇について6つの理由を挙げたが、そのうちFRBに関連するものはバランスシート縮小の1つにとどまった。

その他の要因としては、フィッチ・レーティングスによる8月の米格付け引き下げ、連邦財政赤字の拡大、財務省による積極的な国債発行などを挙げた。

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