• 2023/10/06 掲載

熱中症、自社技術で対策=来夏見据え実証実験―化粧品会社や電機メーカー

時事通信社

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化粧品会社や電機メーカーが今夏、自社技術を用いた熱中症対策の製品やサービスの実証実験を行った。熱中症による搬送者数はここ数年5万~7万人前後で推移し、対策は喫緊の課題だ。地球温暖化に伴い、30度以上の真夏日にとどまらず、35度を超す猛暑日も珍しくないなど、暑さは深刻さを増す。実証実験を行った社は早くも来夏を見据え、実用化を目指している。

ポーラ・オルビスホールディングス(HD)の研究開発を担うポーラ化成工業(横浜市)は、熱中症リスクを判定する人工知能(AI)システムの実証実験に取り組んだ。体調不良になった顔の画像から深層学習したAIを活用。タブレット端末に3秒ほど顔をかざすと、寝不足や運動後の疲労などを割り出し、気温や湿度と統合してリスクを判断する。

豊田高専(愛知県豊田市)が開発したAIを基盤とし、精度は80%ほどという。ポーラ・オルビスが培ってきた肌分析技術も活用し、多角的に判定する方針だ。実証実験では建設現場に設置し、作業員に利用してもらった。ポーラ化成工業研究所の笠原薫さんは「作業員の出入りが多い現場で、水分補給や休憩を促すきっかけにしてもらえれば」と話した。

シャープは、東京都三鷹市やベンチャー企業のバイオデータバンク(東京)とともに、中学校の部活動で実証実験を行った。主成分が水の「適温蓄冷材」で、熱中症の原因とされる深部体温の上昇を抑える「プレクーリング」の効果や運用を検証した。

部活前に適温蓄冷材で手のひらを通る太い血管を冷やし、熱中症リスクを低減する。氷点下などの過酷な環境でも鮮明に映すシャープの液晶技術で融点をコントロールし、しばらく握っていても不快感がない10度に調整した。深部体温の上昇を検知するバイオデータバンク社の腕時計型器具とセットで事業化を目指す。

【時事通信社】 〔写真説明〕神奈川県内の建設現場で行われた、顔画像を分析し熱中症リスクを判定するAIカメラを使った実証実験=6月26日(ポーラ化成工業研究所提供) 〔写真説明〕AIカメラで顔画像を分析し熱中症リスクを判定する実証実験の判定結果=6月26日(ポーラ化成工業研究所提供) 〔写真説明〕シャープが三鷹市およびベンチャー企業と共同で行った暑さ対策の検証で、シャープの液晶技術を活用した「適温蓄冷材」を手に持つ中学生=7月11日、東京都三鷹市の中学校(シャープ提供) 〔写真説明〕シャープが三鷹市およびベンチャー企業と共同で行った暑さ対策の検証で、シャープの液晶技術を活用した「適温蓄冷材」を手に持つ部活動中の中学生=7月11日、東京都三鷹市の中学校(シャープ提供)

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