- 2026/06/26 掲載
新卒も45歳以上も安泰終了…スタバ元CEOが語る、AI時代「唯一無二になれる人」の条件
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新卒も45歳以上も安泰終了、AI時代に“重宝される人”とは
新卒も、中堅・ベテランも、これまでのようには安泰ではいられない時代が近づいている。共同通信が主要企業111社を対象に実施したアンケート調査によると、2027年度入社の新卒採用を前年度より「減らす」と回答した企業は23%となり、「増やす」の16%を5年ぶりに上回った。採用を減らす理由としては、人手不足感の一服に加え、AIやデジタル技術の活用による省人化を挙げる企業もある。
一方で、中堅・ベテラン層にも厳しい動きがある。KADOKAWAは2026年5月、45歳以上の社員を対象に早期退職を募集すると発表した。対象は一定の職級に属する勤続5年以上の社員で、募集人数は定めない。
ここで見逃せないのは、対象が「45歳以上」という点である。45歳は、一般的には定年までまだ時間があり、業務知識、経験、社内文脈、人脈を最も厚く蓄えている年代とも言える。にもかかわらず、構造改革の局面では、こうした働き盛りの中堅層も安泰ではない。
もはや「若いから将来がある」「経験があるから残れる」というだけでは、会社員のキャリアは守られない。これから問われるのは、年齢や在籍年数ではなく、「この人は信頼できる」「この仕事を任せたい」と思われる価値を持てるかどうかだ。
では、こうした時代に「唯一無二」の存在として重宝される人材になるには、何が必要なのか。元スターバックス コーヒー ジャパンCEOで、現在はリーダーシップコンサルティング代表取締役社長を務める岩田松雄氏に聞いた。
選ぶ道はほぼ2択に…AI時代に消える「中間の仕事」
──AIの進化によって、ホワイトカラーの仕事が大きく変わると言われています。新卒採用を減らす企業が出る一方で、中堅・ベテラン層も安泰とは言えません。こうした状況を、岩田さんはどう見ていますか。岩田松雄氏(以下、岩田氏):AIは本当に、産業革命に匹敵するくらい大きな変化を社会にもたらすのだと思います。どう変わるかはまだ分からない部分も多いですが、かなりの仕事が変わっていくでしょう。
たとえば私は会社を持っていますが、決算処理などは税理士さんにお願いしています。領収書をまとめて渡して、仕訳や決算をやってもらうわけです。あるとき、夜半税理士さんに聞きたいことがあったのですが、すぐ返事が来なかった。そこでAIに聞いたら、すぐに答えが出てきたのです。夜中でも、いつでも答えてくれる。
そうなると、残る仕事は何か。1つは、AIに指示する仕事です。もう1つは、AIではできない、あるいはAIやロボットでやるには割に合わない手を動かす仕事です。この場合は領収書を整理して台紙に貼る仕事です。真ん中にある知識処理の仕事は、かなりAIに置き換わっていく可能性があります。
法律や会計のような領域もそうです。AIは法令や会計ルールを完璧に覚えることができますからね。知識を引き出して整理するだけなら、人間以上にAIは非常に得意です。
──いわゆるホワイトカラーの中間的な業務が、AIに置き換わっていくということですね。
岩田氏:そうですね。指示する人と、実際に手を動かす人。その間にある仕事がなくなっていく可能性があると思います。
米国では、ホワイトカラーよりもブルーカラーのほうが高収入になっているケースもあると聞きます。AIでは代替しにくい、実際に手を動かす仕事の価値が高まっている面もあるのでしょう。
もちろん、今後は人型ロボットも進化していくでしょう。いわゆるフィジカルAIのようなものが広がれば、また状況は変わるかもしれません。ただ、たとえば請求書を台紙に貼るような仕事を、何百万、何千万円もするロボットにやらせるのか。コストを考えると、人間がやったほうが合理的な仕事もあるわけです。
そう考えると、AIやロボットでやるにはもったいない仕事と、AIを使って指示する側の仕事に二極化していくかもしれません。「あなたはどちらに行くのですか」という話になっていく可能性があります。 【次ページ】AIを使う人、AIに使われる人…違いは“ある力”にあった
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