• 2026/06/30 掲載

AIエージェントで成果が出る業務は「わずか1割」?ガートナーが警鐘“LLM頼み”の限界

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AIエージェントへの期待が急速に高まっている。しかし、AIエージェントは生成AIの延長線上にある便利な自動化ツールではない。自律的に判断し、行動するからこそ、業務に組み込むには高度な制御と設計が求められる。ガートナーのエリック・ブレテヌー氏の議論をもとに、成果につなげるための人とAIの役割分担をはじめAIエージェント活用の現実解を探る。
執筆:畑邊 康浩
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AIエージェントの自律性を高めるほど高度な制御が求められる
(出典:ガートナー(2026年5月))

実はAIエージェントは新しい技術ではない

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ガートナー
ディスティングイッシュト バイス プレジデント, アナリスト
エリック・ブレテヌー氏
 AIエージェントという言葉が注目を集めるようになったのはここ数年のことだが、技術としての歴史はずっと長い。

 ガートナーのエリック・ブレテヌー氏が研究を始めたのは1994年、当時からエージェントやマルチエージェントシステムはすでに構築されていた。プラットフォームは格段に進化したが、設計の原理は変わっていない。

 生成AIブームの影響でAIエージェントと生成AIが同一視されがちだが、両者はまったく別の技術だ。「私が知るAIエージェントの98%は、生成AIをまったく使っていません」とブレテヌー氏は言う。
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AIエージェントとAIアシスタントの決定的な違い

 ではAIエージェントとは何か。ガートナーの定義では「デジタルおよびリアルの環境で、状況を知覚し、意思決定を下し、アクションを実行し、目的を達成するためにAI技法を適用する自律的または半自律的なソフトウェア」とされる。

 鍵となるのは「自律的」という言葉だ。AIエージェントは人の指示を待つAIアシスタントと何が異なるのだろうか。それは状況を知覚し、過去との違いを調べ、次の行動を組み立て、そして背後で自動的に動くという点だ。中核にある「モデル」にはLLM(大規模言語モデル)に限らず、ルールベース手法や機械学習など、あらゆるAI技術が使われる。

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環境を知覚し、判断し、行動する、AIエージェントの基本構造
(出典:ガートナー(2026年5月))

 いまや「エージェント型AI」という言葉はマーケティング用語として広まり、AIアシスタントと混同されやすくなっている。生成AIの売り上げが伸び悩んだ大手ベンダーが、需要を押し上げるために広めた面があるとブレテヌー氏は言う。AIアシスタントと自律的に動くAIエージェントは、明確に区別すべきだ。 【次ページ】AIエージェントを動かすカギは「意思決定」の設計にある
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