- 2023/10/25 掲載
GM、通年業績見通し撤回 ストのコスト増大 第3四半期は減益
[デトロイト 24日 ロイター] - 米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM) は24日、全米自動車労働組合(UAW)が実施しているストライキに起因するコスト増を踏まえ、2023年の利益見通しを撤回した。また、メアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)は、販売目標よりも利益を優先するため、電気自動車(EV)戦略を減速させる方針を示した。
GMの第3・四半期決算は、純利益が7.3%減の30億6000万ドル。ただ、売上高は441億ドルと、5.4%増加した。調整後の1株当たり利益は2.28ドルと市場予想を上回ったほか、自社株買いの効果もあり、前年同期の2.25ドルから増加した。
ただ、UAWのストの影響拡大に加え、新たな契約締結後に予想される人件費の増加や不透明なマクロ経済見通しなどを踏まえ、GMは通期業績見通しを撤回。ポール・ジェイコブソン最高財務責任者(CFO)によると、UAWのストに起因するコストは第3・四半期は2億ドルだったが、第4・四半期に入ってからはすでに6億ドルに達していると指摘。ストによるコストは1週間当たり2億ドルにのぼっているとした。
GMが第3・四半期決算を発表した数時間後、UAWのショーン・フェイン委員長は、テキサス州アーリントンにあるGMの工場でのスト実施を表明。同工場は利益率が極めて高い「キャデラック・エスカレード」や「シボレー・サバーバン」などを製造しているため、ストによるコストはジェイコブソンCFOが示した試算を大幅に上回る可能性がある。
フェイン委員長は、GMの第3・四半期決算が予想を上回ったことを受け、GMに対する圧力を強めたと表明。これに対し、バーラCEOはアナリストとの電話会議で、GMの提案は国内の工場で働く従業員の年収を最高8万4000ドルまで引き上げると同時に、一段のコスト削減の模索を可能にするものと説明。「従業員と株主に対して責任のない契約には同意しない」と述べた。
バーラ氏はまた、コスト削減に向け一部の電気自動車の発売を遅らせるほか、電気自動車に関連する製品への支出を縮小していると表明。利払い・税引き前利益(EBIT)率を2025年までに1桁台前半から1桁台半ばにするとの目標を達成するために、GMが実施しなければならないことがあると語った。
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