- 2023/11/13 掲載
米国債の変動、米株高の見通しに暗雲
[ニューヨーク 10日 ロイター] - 市場のボラティリティーを追跡しているアナリストによると、依然として不安定な債券市場が米国株上昇の見通しを曇らせている。
株式と債券はここ数カ月、密接に連動していた。過去10営業日ではS&P総合500種は約7%上昇、10年物米国債利回りは16年ぶりの高水準から37ベーシスポイント(bp)低下した。
同時に投資家の不安心理を示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(恐怖指数、VIX)は7週間ぶりの低水準となる14.13に下がった。
VIXの低下は通常、株式にとって好材料であるが、米国債の予想変動率を示す「MOVE指数」の動向が反映されていない。MOVE指数は直近のピーク近辺にとどまっている。
このため米国債利回りの上昇基調が再開すれば、株式には問題となる。
MOVE指数は現在、VIXの約8倍の水準にある。過去30年間の平均では、MOVE指数はVIXの5倍弱の水準となっている。
トールバッケン・キャピタル・アドバイザーズのマイケル・パーベス最高経営責任者(CEO)は「金利は究極的には市場の基盤であり、基盤が揺らいでいるようでは、どのようにVIXが12へ低下すると説明できるか分からない」と発言。米国債のボラティリティーが大きく低下すれば、株式市場の強気派にとって大きな朗報になると話した。
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