• 2023/11/13 掲載

アングル:日経平均、バブル後高値は高望みか 胸突き八丁の戻り相場

ロイター

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Noriyuki Hirata

[東京 13日 ロイター] - 日経平均は夏場以降、レンジでの推移が継続している。米利上げ終結観測を背景に相場は戻り局面となっているが、ここからさらに上抜けバブル後高値を視野に入れるのかは短期的に不透明感も漂う。目先は、14日に控える米消費者物価指数(CPI)が関門として意識されている。

日経平均は6月以降、3万1000円─3万3000円をコアとするレンジ推移が続いている。3万2000円台後半の足元の水準はレンジ上限に接近しており、材料が出ればレンジを上抜け、バブル後高値を再びうかがう流れになるとの思惑が聞かれる。

日本株独自の支援材料も少なくない。ドル/円は150円超で高止まりしており、外需株には見直し余地が生じてきている。決算シーズンを通過する中で、日経平均のEPS(1株当たり利益)も高まってきている。

シーズンが始まった10月後半から10日までにEPSは約6%上昇して2217円となり、9月につけたPER(株価収益率)16倍を前提にすると、3万5000円を上回る計算になる。

目先で一段の上昇に向けた契機になりそうなのが米CPIの発表だ。インフレの伸び鈍化が示されれば12月の利上げ見送り観測が一段と強まって米金利が低下し、グロース株を中心に株価がプラスに反応する可能性があるとして、関心が寄せられている。

「米CPIが想定以上に上振れなければ株高は続く可能性があり、バブル後高値の更新も視野に入る」とインベスコ・アセット・マネジメントの木下智夫グローバル・マーケット・ストラテジストはみている。

<過度な金利低下ならリセッション懸念も>

もっとも、米金利の低下余地はさほど大きくないとの見方もあり、この経路からの株価の上値追いは限られるかもしれない。

10月の金利上昇は、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でタカ派寄りの姿勢が示されたことが契機と目されている。需給悪もあり、10月後半にかけて米長期金利は一時5%に上昇した。

市場でタカ派織り込みが進むと、今度はFRB高官によるハト派寄りの発言が相次ぎ、弱い経済指標も相まって9日には一時4.4%台後半にまで低下した。足元では4.6%前後の推移となっている。

FRBのタカ派姿勢が強まった9月FOMC前後の米長期金利は4.4―4.5%で、FRBは金融引き締め効果を期待するには低すぎる水準とみていた可能性がある。SBI証券の北野一チーフストラテジストは「この水準に下がれば、自然に上昇圧力がかかってくるのではないか」とみている。

さらに、米金利が過度に低下する場合、「米国のリセッションへの懸念がぶり返し、株安に作用しかねない」(いちよしアセットマネジメントの秋野充成取締役)との声が聞かれる。米景気懸念の高まりは、輸出株の逆風になる。

リセッション懸念が早期利下げの織り込みにつながるなら、米株高が促され得るが、この場合、グローバルマネーは日本株ではなく、米株に向かいやすくなるとの見方もある。

「日本株高が促されるには、米利下げにも米リセッションにも距離があるというナローパス(狭い経路)を辿ることが求められそうだ」(いちよしAMの秋野氏)という。

上値追いの決め手を欠く一方、底堅さも意識される中、日本株は「目先は(下限で買って上限で売る)レンジプレーが現実的だろう」と、水戸証券の酒井一チーフファンドマネージャーはみている。

(平田紀之 編集:橋本浩)

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