- 2023/11/14 掲載
地銀、6割が減益・赤字=与信費用増、物価高倒産を警戒―9月中間決算
地方銀行74社・グループの2023年9月中間決算が14日、出そろった。比較可能な73社・グループの連結純利益(一部は単体)の合計は、前年同期比6.8%減の5395億円。6割に当たる44社が減益または赤字転落となった。物価高などによる企業倒産リスクを見据えて与信費用が膨らみ、利益を圧迫した。
単体ベース(91行)では、純利益合計が6.5%減。取引先の倒産などに備える与信費用が計485億円と約15%増加した。今年夏以降に本格化した実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」の返済については、「おおむね順調に推移している」(岩手銀行の岩山徹頭取)などの見方が多い。
一方、円安やエネルギー価格高騰を背景に、融資先のコスト増が深刻化している。秋田銀行の新谷明弘頭取は「(取引先企業の)利益を押し下げる要因として非常に大きい」と警戒する。
日銀の大規模金融緩和策の修正観測から金利上昇(債券価格下落)が続き、国債等関係損益は計約1800億円の赤字。赤字幅は前年同期の約2600億円から縮小したが、8割の銀行で赤字となった。
【時事通信社】 〔写真説明〕日銀本店=東京都中央区(AFP時事)
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