- 2023/11/15 掲載
米インフレ、失業率の大幅上昇伴わずに急低下=シカゴ連銀総裁
グールズビー総裁はデトロイトのエコノミック・クラブでの講演原稿で、失業率の大幅な上昇を伴わないインフレ急低下は、米国では戦時下でしか見られていない現象で、新型コロナウイルスによるパンデミック(世界的大流行)以降の供給回復のや生産性の向上などが原動力になっていると指摘。
戦争に関係なく消費者物価指数(CPI)が1年間で最も大きく低下したのは、4%を超えて低下した1981年から1982年にかけてだったとし、2023年はこれに並ぶか、超える可能性があると予想。こうした中でも失業率は4%を超えることはないとの見方を示した。
米国の10月の失業率は3.9%。10月の消費者物価指数(CPI)の前年同月比での上昇率は3.2%と、前月の3.7%から縮小した。CPIの前年同月比での上昇率は1月時点と比べると3%ポイント以上縮小している。
グールズビー総裁は「まだ道半ばだが、前進は続いている」と指摘。景気過熱よりも外部からの衝撃の方が大きなリスクになっているとし、今後もインフレ指標に注目すると述べた。
10月のCPIは「かなり良好に見える」とし、経済が「ソフトランディング」に近づくことに寄与すると指摘。CPIの詳細に目を向ければ「それぞれの数字はなお緩慢なペースではあるものの、明らかに進展しているように見える」とし、モノの価格下落とサービスおよび住宅インフレの改善がコアインフレ鈍化に寄与しているという認識を示した。
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