- 2023/11/15 掲載
決算説明会、もう取りやめ=東芝、12月の上場廃止控え
東芝は、従来実施していた決算説明会について、9月中間決算から開催を取りやめた。同社は経営再建のため、12月20日に非上場化を予定している。このため不開催はやむを得ない措置とする見方がある一方、まだ上場中だけに同社の情報開示姿勢を疑問視する声も聞かれる。
東芝は四半期の決算発表ごとに、最高財務責任者(CFO)らが登壇する報道関係者やアナリストに向けた説明会を実施してきた。こうした中、9月下旬にTOB(株式公開買い付け)が成立し、東芝株の78.6%を投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)陣営が握る状況にある。今月22日に東芝は臨時株主総会を開き、JIP陣営が残りの全株式を得るための議案を決議する。
決算説明会について、企業統治に詳しい久保利英明弁護士は「誤解を招かないよう質問に答えた方が東芝にとって得策ではないか」と取りやめに疑問を投げ掛ける。ただ、牛島信弁護士は「開催が望ましいが、法的義務ではない」と指摘する。
東芝によると、上場廃止を控える企業は決算説明会を開かない傾向があるという。だが、「上場廃止が決まったと言ってもまだ上場企業」(久保利氏)であることも事実で、将来再上場する可能性もあるだけに、業績や経営の見通しなど透明性の確保が求められそうだ。
【時事通信社】
PR
PR
PR