- 2023/11/15 掲載
NY市場サマリー(14日)ドル下落・利回り急低下、株は大幅高
米労働省が14日発表した10月CPIは前年同月比で3.2%上昇した。伸びは前月の3.7%から縮小し、市場予想の3.3%も下回った。
これを受けてドルは急落し、国債利回りは急低下した。年初来のドル高の支柱となってきた10年国債利回りは4.5%を割り込んだ。
ドル指数は1.55%安の103.980。1日の下落率は2022年11月11日以来で最大となった。
対円では介入警戒感が根強い。円も対ドルで上昇したが、上昇幅は他通貨ほどではなく、0.97%高の1ドル=150.23円となった。前日にもオプション取引の活発化により一時円が急騰する場面があった。
<債券> 国債利回りが急低下した。米国の10月の消費者物価指数(CPI)の伸びが予想以上に鈍化したことで、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ局面が終了したとの見方が裏付けられた。市場ではFRBは来年上半期に利下げに踏み切るとの観測が強まっている。
金利見通しを反映しやすい2年債利回りは一時4.815%と、2週間ぶりの低水準を付けた。終盤の取引では22ベーシスポイント(bp)低下の4.819%。1日の低下としては5月以降で最大となる見通し。
10年債利回りは一時4.432%と、2カ月ぶり低水準を更新。終盤では18.7bp低下の4.443%。1日の低下としては3月以降で最大となる見通し。
<株式> ナスダック主導で大きく上昇して取引を終えた。インフレ統計が予想を下回ったことを受け、米連邦準備理事会(FRB)の利上げが終了した可能性があるとの見方が強まった。
S&P総合500種とナスダック総合は4月27日以来の大幅な上昇率を記録した。
金利に敏感なS&P500不動産セクターや公益事業が昨年11月以来の大幅な上昇率を記録し、小型株で構成するラッセル2000指数は5.4%高と相場全体をアウトパフォームした。
写真・動画共有アプリ「スナップチャット」を運営するスナップは7.5%急伸。アマゾン・ドット・コムが米国内のスナップチャット利用者を対象に、一部商品を同アプリから直接購入できるようにすると発表した。
ホームセンター大手ホーム・デポも5.4%高。第3・四半期の利益が予想を上回ったことを好感した。
<金先物> 市場予想を下回る米消費者物価指数(CPI)の発表を背景としたドル安や金利低下 を受けて買いが膨らみ、続伸した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前日比1 6.30ドル(0.84%)高の1オンス=1966.50ドル。
<米原油先物> 米エネルギー情報局(EIA)の在庫統計発表を翌日に控えて様子見姿勢が強まり、 横ばいとなった。米国産標準油種WTIの中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前 日と変わらずの1バレル=78.26ドルだった。1月物は0.02ドル安の78.17ドル。
*内容を追加しました
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