- 2023/11/22 掲載
米年末商戦に身構える小売業者、値引きでも苦戦か、高金利やインフレで
[21日 ロイター] - アパレルや家電量販、ホームセンターなど米小売業者は、年間を通じて最大のかき入れ時と当てにする年末商戦を巡り、今年は苦戦しそうだと身構えている。ここからうかがえるのは値引きを加速したところで家計支出を刺激しない可能性だ。
全米小売業協会のデータによると、今年は米国人がホリデーシーズンに積極的な買い物を控える可能性が高いことから、年末商戦での売上高が過去5年間で最低の伸びにとどまる見通しだ。
第4・四半期(10─12月)は大抵の米国人がクリスマスの買い物を心待ちにする時期。ただ、米経済の需要は鈍化しており、10月の小売売上高の前月比小幅減少が示すように四半期の滑り出しはぎこちない。こうしたことを受け、21日に相次いだ小売業者の年末商戦見通しの発言は強弱まちまちとなった。
ホームセンターを手がけるロウズや家電量販ベスト・バイ、百貨店大手コールズはいずれも、オープンから少なくとも1年が経過した店舗の売上高が第3・四半期に減少したと明らかにし、会社全体の年間売上高予想を下方修正した。
ベスト・バイのコリー・バリー最高経営責任者(CEO)は「足元のマクロ環境では、消費者の需要が以前にも増してまだら模様で、先行きを見通すことが難しい」と述べた。また、複数の小売業経営首脳らによると、高金利やインフレ、学生ローン返済の再開により消費者の財布の紐は固いままという。
ただ、ロウズのCEOマービン・エリソン氏はアナリストらとの電話会議で、個人消費は比較的回復力を維持していると指摘。「消費者は各種サービス業やコンサート、レストラン、旅行などいわゆるコト消費に支出しており、そうした一般消費に費やす金額は現在、1年前よりも多い」と述べた。
一部の投資家の間では、ブラックフライデーから始まる年末商戦で「何がしかのポジティブサプライズ」があるとの予想も出ている。ヘッジファンドのグレートヒル・キャピタルのトーマス・ヘイズ会長は、「インフレ率の数値が改善し、金利上昇が止まったことで、少し希望が出てきた。仮にブラックフライデーとサイバーマンデー(での売り上げ)が予想された水準よりも若干良かったとしても私は驚かないだろう」と述べた。
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