- 2025/01/28 掲載
再送日銀審議委員に小枝・早大教授、安達委員の後任 政府提示
(本文中の誤字を修正しました。)
Takaya Yamaguchi Yoshifumi Takemoto Kentaro Sugiyama
[東京 28日 ロイター] - 政府は28日、日銀審議委員に早稲田大学政治経済学術院教授の小枝淳子氏を充てる国会同意人事案を提示した。3月25日に任期を終える安達誠司審議委員の後任となる。石破茂政権が日銀審議委員の人事案を提示するのは今回が初めて。人事案が了承されれば正副総裁を含む政策委員9人のうち、2人が女性委員となる。
日銀は24日の金融政策決定会合で、無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.5%に引き上げることを決めた。植田和男総裁は会見で、緩和でも引き締めでもない政策金利の水準である中立金利には「まだ距離がある」とし、今後もデータを見極めながら利上げを継続する姿勢を示している。
今後、小枝氏が経済・物価見通しや中立金利への距離などにどのような見解を示すかが焦点となる。
科学技術振興機構の鵜飼博史チーフ・エコノミストは「オーソドックスな経済学者で、金融政策を活発に研究している。細かな主張がどうなるか分からないが、政策委員会のリフレ派的なところがより消えることになるだろう」との見方を示した。
野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは「日銀とは近い学者の可能性があり、日銀側、植田総裁の意向も反映されているのではないか」と指摘。あまり政策の色のある人でないので、採決に影響を与えるというより、議論の質を高める委員ということではないか」とみている。
小枝氏は、日銀が2023年12月に行った「金融政策の多角的レビュー」に関するワークショップの第1回「非伝統的金融政策の効果と副作用」において、非伝統的金融政策を検証するセッションの指定討論者としても登場している。
政府は6月30日に任期満了を迎える中村豊明審議委員の後任人事も近く、提示する。安達委員は安倍晋三政権下の20年3月に審議委員に就任していた。
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