- 2025/05/29 掲載
エヌビディア、第2四半期売上高は予想未達の可能性 株価は4%高
[28日 ロイター] - 米半導体大手エヌビディアが28日発表した第1・四半期(2─4月)決算は売上高が予想を上回った。
ただ、第2・四半期の売上高が市場予想を下回るとの見通しを示した。主要市場である中国への人工知能(AI)向け半導体の輸出に対する米政府の厳しい規制により、売上高が80億ドル目減りすると予想している。
時間外取引の同社株は4%上昇している。
同社は第2・四半期の売上高を450億ドルから上下2%と予想。LSEGがまとめたアナリストの平均予想は459億ドルだった。
同社のコレット・クレス最高財務責任者(CFO)はアナリストとの電話会議で「遠くない将来、数十ギガワットのエヌビディアAIインフラを必要とするプロジェクトが視野に入っている」と指摘。短期的には対中規制に直面しており、中国のデータセンター関連の売上高が減少したと述べた。
同社は今月、中東で一連の新規契約に調印している。
米政府はエヌビディアのAI半導体「H20」の対中輸出を規制。これを受け同社は4月に55億ドルの費用計上を予想したが、同社は今回、第1・四半期の実際の費用が予想を10億ドル下回ったと表明。一部の材料を再利用できたことが寄与した。
第1・四半期はH20の売上高が25億ドル目減りしたが、第2・四半期は80億ドル目減りする見通しという。
ただ、第1・四半期のH20の売上高は46億ドルだった。中国は第1・四半期の売上高全体の12.5%を占めた。
第1・四半期の調整後1株利益は0.81ドル。市場予想には大きな開きがあった。特別費用を除くベースの調整後1株利益は0.96ドル。LSEGがまとめた調整後1株利益の予想は0.93ドルだった。
DAダビッドソンのギル・ルリア氏は、H20に対する規制について、全体的な影響は懸念されていたよりも少なかったとし、中国企業が規制発動前にH20を調達したとの見方を示した。
Emarketerのアナリスト、ジェイコブ・ボーン氏は「データセンターの拡張が関税の影響を受け、今後数四半期のAI半導体需要の逆風となる恐れがある」とし「これはエヌビディアの圧倒的なシェアの終わりを意味するものではないが、シェアを維持するには、地政学・競争・経済面の課題という複雑さを増す環境に対応することが必要になる」と述べた。
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