• 2026/08/11 15:00 掲載

AnthropicのClaudeが、167年未解決の数学最大の難問「リーマン予想」の証明を前進

予想に関連する臨界線をAIが大幅に引き上げ

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米Anthropicは2026年8月10日、開発中の未公開AIモデルClaudeが数学の未解決問題であるリーマン予想に関連する下界の数値を従来の41.6%から67.2%へ引き上げたと発表した。リーマン予想自体の証明には至っていないが、数十年にわたり停滞していた数値をAIが既存研究の組み合わせにより大きく更新した事例となる。
 リーマン予想は、素数の分布と密接に関わるゼータ関数の非自明な零点がすべて複素平面上の特定の一直線上に存在するという、数学界の極めて重要な未解決問題である。これまで数学者たちは、この直線上に存在する零点の割合の最低値を証明するアプローチを長年続けてきた。数十年間の研究によって徐々に下界は引き上げられてきたが、直近の最高記録は41.6%に留まっていた。

 Anthropicの発表によれば、未公開の研究版Claudeは、過去に発表された複数の数学論文の手法を独自の形で組み合わせることで、この下界を一気に67.2%へと引き上げることに成功した。具体的には、Baluyot氏やGoldston氏らの先行研究と、Bombieri氏が2000年に発表した論文の成果を統合した。

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AnthropicのClaudeが167年来未解決の「リーマン予想」の証明前進(画像:ビジネス+IT)
 同社スタッフのJarred Sumner氏からリーマン予想への挑戦を指示されたClaudeは、最初の650回の試行では有効な結果を出せなかった。しかし、スタッフからの励ましを受けて再挑戦し、約60のサブエージェントを1日半にわたって協調動作させた。これらのエージェントは2400回のシェルコマンドを実行し、数百のPythonスクリプトを作成したうえで、既知の零点に対する数千回の数値検証や互いの成果の査読を行った。

 新たな結果を発見した後、Claudeは自らarXivから54本の論文をダウンロードして同一の発見が既に存在しないかを確認し、ゼロから独立して再証明を行うなどの自己検証を実施した。導き出された証明はAnthropic社内の数学者2名によって検証され、当該分野の専門家であるBrian Conrey氏とDan Goldston氏による確認も行われている。さらに、証明支援言語Leanを用いた形式化も完了し、機械的な論理検証ツールを通過した。

 Anthropicは、Claude自身が当初自らの成果に懐疑的であった点に触れ、AIモデルが未解決問題の困難さについて学習している可能性を指摘した。今回の成果はAIが既存の数学的アイデアの到達範囲を拡張できることを示す一方で、用いられた手法がリーマン予想自体の証明に直接つながる見込みはないと明言されている。本結果は今後、学術共同体による正式な査読や独立した追試の対象となる。

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