- 2026/08/12 06:10 掲載
グーグルやアマゾンと「立場逆転」現実味…NTT「IOWN」が秘める「逆転シナリオ」全貌
1979年生まれ。京都大学経済学部卒業。国会議員秘書を経てプレジデント社へ入社、プレジデント編集部配属。経済誌としては当時最年少でプレジデント編集長。現在、イトモス研究所所長。著書に『週刊誌がなくなる日』など。
巨大テック企業に挑むNTTの「秘密兵器」
日本のIT産業はもう負けた──この10数年、そう繰り返し語られてきた。検索エンジンも、クラウドも、スマートフォンの心臓部さえも、気づけばすべて米国の巨大企業に握られている。日本企業は、彼らが敷いた土俵の上でビジネスをせざるを得ない。そんな「諦め」が、いつのまにか常識のように定着してしまっているように見受けられる。
そうした中で、NTTが2019年に打ち出した情報通信基盤の構想「IOWN」(アイオン)は、後ろから追いつくことができないのなら、土俵そのものを作り替えてしまえばいい、という発想と言える。
IOWNの柱になるのは、ネットワーク内での光信号と電気信号の変換を極力減らし、光のまま送受信拠点まで届ける特別な回線技術だ。普通の通信は光ファイバを使っていても、途中で電気信号に変換する必要がある。この特別な回線は、それを可能な限り排除し、エンドツーエンドの光パスを目指す。中継機器での処理に伴う遅延を抑え、遅延のばらつきも大幅に小さくできるのだ。
IOWNは2023年3月には実際にサービスが始まり、一定の条件下では従来比200分の1もの低遅延を実現した。2024年12月には最大800Gbpsの接続に高速化され、提供エリアや利用事例が拡大。データセンター接続や遠隔作業などを想定した実証・活用事例も広がっている。まだ実現していない絵空事ではなく、今この瞬間も動いている実際のサービスなのだ。
しかもNTTは、この仕組みを自社だけで抱え込もうとはしていない。NTTはブロードコムやNEC、富士通など計9社と連携し、400Gbpsのデータセンター間接続について、複数メーカーの機器を組み合わせて利用できるソリューションの提供を始めている。 【次ページ】グーグルと「立場逆転」になる未来があり得る?
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