- 2025/07/01 掲載
NY外為市場=ドル対ユーロで約4年ぶり安値、米財政赤字拡大懸念
[ニューヨーク 30日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、米国の財政赤字拡大に対する懸念のほか、米政府が進める主要貿易相手国・地域との通商交渉を巡る不透明感を背景に、ドルが対ユーロで約4年ぶりの安値を付けた。
米上院共和党はトランプ大統領が掲げる包括的な税制・歳出法案の審議を進めており、この日に多数の修正案について採決を行う予定。同法案で米国の債務が3兆3000億ドル押し上げられると予想され、党内で意見が分かれているものの、可決に向けて取り組む方針を示している。
クラリティFX(サンフランシスコ)のエクゼクティブ・ディレクター、アモ・サホタ氏は「大規模な歳出法案が成立するか、大きく注目されている」と指摘。「ドルは下落基調にあるが、今年も半ばを過ぎた時点でスウェーデンクローナ、スイスフラン、ユーロが大きな勝ち組になっている。ユーロは欧州連合(EU)が大規模な支出法案を発表した後に形勢が好転した」と述べた。
マネーコープ(ニュージャージー州)の北米ストラクチャリング部門責任者、ユージン・エプスタイン氏は「米国の財政赤字が大幅に拡大するとの懸念を背景にドルが下落する中、関税協議を巡る不透明感が継続している」と指摘。「トランプ政権が掲げる包括的な税制・歳出法案のほか、関税を巡る協議やイランとイスラエルの紛争など、1つの問題が通過すると次の問題に焦点が移り、まるで椅子取りゲームのように物事が回っている」と述べた。
ユーロ/ドルは1.1780ドルと、2021年9月以来の高値を更新。終盤の取引では0.45%高。月初からは約3.8%、年初からは約14%上昇している。
ドル/円は0.36%安の144.45円。月初からはほぼ横ばいとなる見通し。
主要通貨に対するドル指数は0.35%安の96.86。月間ベースでは6カ月連続で下落し、半期ベースでは1970年代以来の軟調さとなる見通し。
ドル/円 NY午後4時 144.02/144.04
始値 144.18
高値 144.51
安値 143.97
ユーロ/ドル NY午後4時 1.1779/1.1781
始値 1.1724
高値 1.1786
安値 1.1708
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