- 2025/07/03 掲載
NY外為市場=ドル上昇、英ポンドは国債売りで下落
市場では米労働省が3日に発表する6月の雇用統計のほか、4日の米祝日を控え、ポジション調整の動きも出ている。
米ADPリサーチ・インスティテュートが朝方発表した6月の全米雇用報告によると、民間雇用者数は3万3000人減少した。減少は2023年3月以来約2年ぶりで、エコノミスト予想(9万5000人増)に反して減少。これを受け、FRBは9月に利下げを再開するというこれまでの市場の観測が裏付けられた。
トランプ大統領の看板政策を盛り込んだ大規模な減税・歳出法案を巡っては、米議会上院が1日に可決。法案は下院で討議され、採決される見通しだが、一部の共和党議員が反対を表明しており、難航する可能性がある。
この日はまた、トランプ大統領がベトナムと関税交渉で合意したと発表。ベトナムからの輸入品には20%の関税、第3国からの積み替え品には40%の関税を課す一方、ベトナムは米国製品を関税なしで受け入れる。
スタンダード・チャータードのG10外為調査部門責任者、スティーブ・イングランダー氏は「市場の論理として、合意に応じる国・地域がなければ米国に圧力がかかり、ドル安要因になる」と指摘。ただ「合意は成立するという安心感があるため、全般的にリスク選好的な展開になる可能性がある」との見方を示した。
終盤の取引で主要通貨に対するドル指数は0.154%高の96.786。ドル/円は0.15%高の143.635円。ユーロ/ドルは0.08%安の1.179725ドル。
英ポンドは対ドルで0.79%安の1.3634ドルまで下落し、1週間ぶりの安値を更新。英政府は前日、給付削減計画を大幅に縮小。財務相の進退問題も取り沙汰される中、英国債はこの日の取引で2022年10月以来最悪の売りに見舞われた。
バノックバーン・グローバル・フォレックスのチーフ市場ストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は「労働党政権に対する信頼が危機にさらされる中、英国債に加え英ポンドが大きな圧迫を受けている」としている。
ドル/円 NY午後4時 143.62/143.63
始値 143.92
高値 144.21
安値 143.50
ユーロ/ドル NY午後4時 1.1802/1.1804
始値 1.1767
高値 1.1803
安値 1.1748
最新ニュースのおすすめコンテンツ
PR
PR
PR