- 2025/07/08 掲載
「ゼロ金利の再来は依然現実的」、米NY・SF連銀が報告書
報告書は、FRBの金利目標が超低水準に戻るという中長期的なリスクは「現在、過去15年間で観測されたレンジの下限にある」と指摘しながらも、ゼロ金利近辺への回帰の可能性は「最近の不確実性の高まりにより、中長期的には依然として大きい」とした。
フェデラルファンド(FF)金利がほぼゼロとなったのは、経済不安が高まった時だ。FRBは、2008年の金融危機発生から2015年後半まで、短期金利目標をこの水準に設定。2020年3月に新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)により再びこの水準にとどめた。その後、数十年で最悪のインフレ率に対処するため、2022年春から積極的に金利を引き上げ始めた経緯がある。
ここ数年、FRBは新たな局面を迎えている。パンデミックに起因する高水準のインフレは大幅に緩和したが、FRBは現在、FF金利の誘導目標を4.25─4.5%に設定している。これは依然として比較的高い水準となる。
金利デリバティブ分析に基づくこの報告書は、現在のバッファーをもってしても金利見通しは複雑だと指摘している。「ゼロ金利近辺となるリスクは、予想される金利水準の上昇とともに低下する傾向があり、金利の不確実性が高まるにつれて上昇する傾向がある」と記している。
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