• 2025/07/10 掲載

NY市場サマリー(9日)株上昇 ドル146円台前半 入札堅調で10年物利回り低下

ロイター

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<為替>ドルが対円で約2週間ぶりの高値圏で推移した。トランプ米大統領が7日に日本からの輸入品に対し8月1日から25%の関税を課すと表明したことでドルは対円で上昇しており、市場では関税措置を巡る動向が引き続き注目されている。

日本は輸出依存度が高く、米国の主要貿易相手国・地域の中で合意から遠い状況にあることで、円はこのところ大きく売り込まれている。こうした中、米ホワイトハウスはこの日、ベセント財務長官率いる代表団が19日に大阪・関西万博を訪れると発表。ベセント氏が訪日中に当局者と会談を行うかは 現時点で明らかになっていないが、一段の協議に道が開かれる可能性がある。

ドル/円は一時147.19円まで上昇。ただ、終盤の取引では0.18%安の146.35円。週初からの上昇率は約1.5%。

トランプ大統領は貿易相手国・地域に関税率を通知する書簡を送付しており、この日はフィリピンを含む7カ国に送付。書簡によると、アルジェリア、イラク、リビア、スリランカに30%、ブルネイとモルドバに25%、フィリピンに20%の関税を課す。

ユーロ/ドルは0.09%安の1.171ドル。市場ではトランプ大統領が欧州連合(EU)には関税率を通知する書簡を送付しない可能性があると観測を慎重に見極めようとする動きが出ている。

ユーロが対ドルで底堅く推移していることについて、コメルツ銀行の外国為替アナリスト、アンチェ・プレフケ氏は、米欧間の金利格差の見通しを指摘。「米連邦準備理事会(FRB)は年末まで2回弱の利下げを実施すると予想されているが、欧州中央銀行(ECB)は1回のみと予想されている」と述べた。

終盤の取引で主要通貨に対するドル指数は0.003%安の97.545。英ポンド/ドルは0.04%安の1.36ドル。

NY外為市場:[USD/J]

<債券>利回りが低下した。この日、財務省が実施した国債入札で強い需要が確認され、投資家の米債市場への信認が今のところ維持されていることを示唆した。

財務省がこの日実施した390億ドルの10年債入札は堅調な需要を集めた。最高落札利回りは4.362%で、入札前取引の水準を約0.5ベーシスポイント(bp)下回った。応札倍率は2.61倍と、4月以来の高水準となった。

アクション・エコノミクス(サンフランシスコ)のマネジングディレクター、キム・ルパート氏は「(同入札は)非常に容易に消化され、米国債への需要があることを示している」と指摘。「米資産売り」の考え方は大幅に後退したとの見方を示した。

財政見通しの悪化により、向こう数年間の米債増発への懸念は高まっている。ただ、今のところ、外国投資家の米国債離れを示す明確な兆候は見られておらず、ベセント財務長官が、足元の金利では国債の入札規模を拡大する予定はないとした発言も、長期ゾーンの国債需要の支持材料となっている。

10日には220億ドルの30年債入札が実施される予定。

指標となる10年国債利回りは7.7bp低下の4.34%。

2年債利回りは4.7bp低下の3.862%。

2年債と10年債の利回り格差は48bpと、約3bp縮小した。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> 米国株式市場は上昇して取引を終えた。半導体大手エヌビディアの時価総額が一時、4兆ドルを突破する中、ハイテク株中心のナスダック総合が主要指数の上げを主導した。また、連邦準備理事会(FRB)の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受け、トランプ大統領の関税によるインフレ圧力が今年の利下げを阻むことはないという期待が高まった。

FRBが9日公表した6月17─18日のFOMC議事要旨によると、「大半の参加者」はトランプ氏の関税措置による物価への衝撃が「一時的もしくは小幅」になると見込み、年内の利下げが適切になるという見解を示した。ただ、今月に利下げが実施される可能性があるという認識を示した当局者は少数にとどまった。

エヌビディアは朝方に世界で初めて時価総額が4兆ドルを突破した。人工知能(AI)技術への需要が急増する中、ウォール街で最も注目される銘柄の一つとしての地位を固めた。終値は1.8%高で、引け時点の時価総額は約3兆9700億ドルだった。

投資会社SWBCのクリス・ブリガティ最高投資責任者(CIO)は「FRB当局者はインフレ率が今後上昇するとの見方を示唆した。同時に当局者の多く、あるいはほとんどが今年のある時点で金利が低下するという予想を示唆した。この2つの点は一致しない」と指摘。「おそらく彼らは労働市場で何が起こっているかについて、少し重視し始めているのだろう」と語った。

エヌビディアのほか、マイクロソフトが1.4%高、アマゾン・ドット・コムが1.5%高となるなど、大型株が市場を押し上げた。

米株市場は7日に貿易摩擦への懸念から下落したものの、その後は落ち着きを取り戻している。アナリストは、投資家がトランプ大統領の関税に関する威嚇的な姿勢に慣れてきたと指摘する。

トランプ氏は9日、アルジェリア、イラク、リビア、スリランカ、フィリピンを含む7カ国に関税率を通知する書簡を送った。

S&P総合500種の主要11業種では8業種が上昇。公益事業が1%高、情報技術が0.9%高と上げを主導した。主要消費財は0.6%安で下落率トップだった。

個別銘柄では発電事業大手AESが19.8%上昇。売却を含む選択肢を検討しているとブルームバーグが報じた。

航空機大手ボーイングは3.7%高。6月の航空機納入が前年同月比で27%増加したことを受け、サスケハナが目標株価を引き上げた。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.17対1の比率で上回った。ナスダックでも1.93対1で値上がり銘柄が多かった。

米取引所の合算出来高は181億株。直近20営業日の平均は183億5000万株。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、 米長期金利の低下などを背景に金が買われ、4営業日ぶりに反発した。中心限月8月物の 清算値(終値に相当)は前日比4.10ドル(0.12%)高の1オンス=3321.0 0ドル。

米長期金利の低下を背景に金利を産まない金の投資妙味が高まり、金が買われた。前日までの下落の反動から安値を狙った買いも入りやすかった。

一方で、トランプ米大統領は7日に日本を含む14カ国に対して新たな相互関税の税率 を通知。トランプ氏は8日にも輸入する銅に対して50%の関税を課す考えを示した。米高関税政策が再びインフレを招くとの懸念から外国為替市場では対ユーロでドル買いが優 勢。ドル建てで取引される商品の割高感が生じ、金の上値を抑えた。

米連邦準備制度理事会(FRB)は金相場の引け後に、先月17、18両日に開かれた 連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を公表。大半の参加者らは、トランプ政権の高関税政策によるインフレ上振れ圧力が「一時的か小幅」にとどまると指摘。年内に政策 金利を「いくらか引き下げることが妥当となる可能性がある」との認識を示していたこと が判明したが、金塊相場の反応は今のところ限られている。

サクソバンクの商品戦略責任者、オール・ハンセン氏は8日付のリポートで「金属セクターは値固め局面の時期に入った。金相場は過去12週間で横ばいで推移している」と述べた。同氏はその上で、2025年後半にFRBの利下げなどにより金需要が高まり、追 い風となる可能性を指摘した。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、 需給引き締まり観測を背景とした買いがやや優勢となり、3営業日続伸した。

米国産標準油種WTIの中心限月8月物の清算値(終値に相当)は、前日比0.05ドル(0.07 %)高の1バレル=68.38ドル。9月物は0.01ドル安の66.97ドルだった。

米エネルギー情報局(EIA)が午前に発表した週報によると、4日までの週に原油在庫は前週比710万バレル増加。市場予想(210万バレル減)に反して大幅な積み増しとなった。ただ、ガソリン在庫は270万バレル減、ディスティレート(留出油)在庫は80万バレル減と、それぞれ予想を上回る取り崩しを記録。また、EIAは8日公表の短期エネルギー見通しで、2025年の米産油量を前月時点から下方修正しており、需給引き締まり観測が相場を支援した。

このほか、紅海での船舶攻撃を受け、地政学的リスクを警戒した買いも再燃。報道によると、イエメンの親イラン武装組織フーシ派は7日、紅海を航行中の貨物船を攻撃し、沈没させたと主張している。

しかし、トランプ米大統領は9日、新たにフィリピンなど7カ国に対して新関税率を通知する書簡を公表。貿易摩擦激化への懸念がくすぶり、相場は終盤にかけて上値を削る展開となった。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ドル/円 NY終値 146.31/146.

32

始値 146.64

高値 146.78

安値 146.26

ユーロ/ドル NY終値 1.1719/1.17

22

始値 1.1702

高値 1.1724

安値 1.1690



米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 98*04.0 4.8694

0 %

前営業日終値 96*30.5 4.9460

0 %

10年債(指標銘柄) 17時05分 99*10.0 4.3359

0 %

前営業日終値 98*21.5 4.4170

0 %

5年債(指標銘柄) 17時05分 99*27.0 3.9097

0 %

前営業日終値 99*16.0 3.9870

0 %

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*26.0 3.8491

0 %

前営業日終値 99*22.3 3.9090

8 %



終値 前日比 %

ダウ工業株30種 44458.30 +217.54 +0.49

前営業日終値 44240.76

ナスダック総合 20611.34 +192.87 +0.95

前営業日終値 20418.46

S&P総合500種 6263.26 +37.74 +0.61

前営業日終値 6225.52



COMEX金 8月限 3321.0 +4.1

前営業日終値 3316.9

COMEX銀 9月限 3663.0 ‐11.9

前営業日終値 3674.9

北海ブレント 9月限 70.19 +0.04

前営業日終値 70.15

米WTI先物 8月限 68.38 +0.05

前営業日終値 68.33

CRB商品指数 301.6517 ‐0.6400

前営業日終値 302.2917

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