• 2025/07/16 掲載

新興国市場への資金流入、6月は9カ月ぶり高水準 債券が主導=IIF

ロイター

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Rodrigo Campos

[ニューヨーク 15日 ロイター] - 外国投資家による新興国株・債券市場への資金流入が、6月に428億ドルと9カ月ぶりの高水準に達した。国際金融協会(IIF)が15日明らかにした。

IIFは、現在の新興国経済が「ゴルディロックス(適温)状態」にあるとの見方を示した。

5月の168億ドルの流入から大幅な加速となり、月間純流入額としては昨年9月の635億ドル以来の高水準となった。

IIFのシニアエコノミスト、ジョナサン・フォートゥン氏は声明で「世界の金利が低下し、ドルが下落し、新興国のマクロ経済ファンダメンタルズが比較的堅調という、異例な組み合わせを反映している。これは資本流入にとって熱すぎず冷たすぎない環境をつくり出している」と指摘した。

株式への流入は99億ドルと、昨年9月以来の高水準。特に注目されたのは債券への流入で、6月は329億ドルに急増した。過去2カ月間は90億ドルを下回っていた。

引き続き、中国の債券への資金流入が目立ち、流入額は238億ドルだった。

ただ、中国以外の債券市場でも資金流入が回復。特に自国通貨建て債券はドル安や高金利、信頼できる国内政策の枠組みに支えられ、引き続き魅力的な投資先となった。

主にメキシコペソ建て、ブラジルレアル建て、韓国ウォン建ての債券に資金が流入した。

JPモルガンの指数によると、自国通貨建て国債は年初来で約12%のリターンを記録。ハードカレンシー建て債券の2倍以上のリターンとなっている。

一方、MSCI新興国株価指数は6月までに13.7%上昇し、2017年以降で最高のパフォーマンスを記録した。ゴールドマン・サックスはさらに上昇余地があると予測し、同指数の12カ月先予想を1290から1370に引き上げた。

ゴールドマンは「関税の不確実性があるものの、新興国の経済活動は比較的堅調で、下半期に追加の上昇余地がある」とし「保有が著しく少ない資産クラス」への資金流入が続いていると指摘した。

地域別ではアジアに210億ドル超が流入。アジア株に過去1年で最大の69億ドルが流入した。中南米には113億ドルが流入。欧州とアフリカ・中東への資金流入はともに1月以来最大となった。

フォートゥン氏は「市場は引き続きトランプ米政権の貿易・関税政策がもたらす潜在的な悪影響を過小評価している」とし「こうした措置はサプライチェーンの混乱、インフレの増幅、報復につながる可能性がある。現在の世界的なリスクセンチメントではこうしたリスクは依然として過小評価されている」と述べた。

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