• 2025/07/17 掲載

NY市場サマリー(16日)FRB議長解任観測で一時トリプル安 ドル147円台後半 ナスダック最高値

ロイター

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<為替> ニューヨーク外為市場では、ドルが不安定な展開となる中、下落した。ただ、トランプ米大統領がパウエル連邦準備理事会(FRB)議長を解任する計画はないと言明したことで、この日の安値からは持ち直した。

関係筋によると、トランプ大統領はパウエル議長の解任に「オープン」と明らかにした。また、ブルームバーグはホワイトハウス当局者の情報として、トランプ大統領がパウエル議長を近く解任する公算が大きいと報じた。しかしトランプ大統領はその後、いかなる可能性も否定しないとしつつも、パウエル氏を解任する計画はないと述べた。

ワシントンのマネックスUSAのトレーディング担当シニアディレクター、フアン・ペレス氏は、「ドルの価値やドルに対する信任を完全に破壊しうるのは、いかなる方法や形態であれ、FRBの独立性と権限を攻撃することだ」と述べた。

トランプ大統領は、政策金利は1%以下であるべきだと主張し、利下げに慎重姿勢を示すパウエル議長を何カ月にもわたり非難してきた。

INGバンクのストラテジスト、フランチェスコ・ペソレ氏は、トランプ大統領がパウエル議長を解任した場合、市場はドルに対しより大きなマイナス反応を示すだろうとし、ユーロ/ドルは上昇するだろうと述べた。

主要通貨に対するドル指数は0.25%安の98.34。

ユーロは0.3%高の1.1633ドル。ドル/円は0.7%安の147.82円。英ポンドは0.24%高の1.3411ドルとなった。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは2.82%高の11万9761ドル。14日には初めて12万ドル台に上昇し、過去最高値を更新した。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 不安定な取引の中、2年債利回りが低下した。トランプ大統領が連邦準備理事会(FRB)パウエル議長を近く解任するとの報道を受け約1週間ぶりの低水準を付ける場面があったものの、その後、解任を否定するトランプ氏の発言を受けて、下げ幅を縮小した。

ブルームバーグがホワイトハウス当局者の情報として、トランプ大統領がパウエル議長を近く解任する公算が大きいとの報を受け、2年債利回りは一時3.86%と、約1週間ぶりの水準に低下した。終盤の取引では6.9ベーシスポイント(bp)低下の3.889%。

一方、長期債は売られ、30年債利回りは一時、5.08%と8週間ぶりの高水準を付けた。ただ、終盤にかけて上げ幅を縮小し、終値は前日比横ばいの5.014%となった。

指標となる10年国債利回りも一時上昇したものの、終値では3.6bp低下の4.453%となった。

2年債と10年債の利回り格差は56.4bp。一時、61.8bpと、4月以来の大きさまで拡大した。これは、財政不安と、FRB新議長が積極的に利下げに踏み切った場合のインフレ抑制を巡る懸念から、長期債の売りが加速したことを反映している。

FRB議長解任の報道で、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げが再開される確率は66%と、報道前の54%から上昇。その後、トランプ氏がパウエル議長を解任する計画はないと発言したことを受け、確率は60%となった。

ソシエテ・ジェネラルの企業調査・為替・金利部門責任者、ケネス・ブルー氏は、「(トランプ氏によるFRB議長解任は)絶えず話題となっており、市場が遅かれ早かれ起こる可能性を懸念しているのは当然だ」と指摘。「債券市場と為替市場は不確実性を嫌う」と述べた。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> 上昇して取引を終え、ナスダック総合は連日最高値を更新した。午前の取引では、トランプ米大統領がパウエル連邦準備理事会(FRB)議長を解任する可能性があるとの報道を受けて下落する場面もあったが、トランプ氏が報道を否定したため、再び買いが優勢になった。

ブルームバーグは16日、匿名のホワイトハウス当局者の話として、トランプ大統領がパウエル議長を近く解任する可能性が高いと報道。また、関係筋はロイターに対し、トランプ大統領がパウエル議長の解任に「オープン」と明らかにした。

これを受けてS&P総合500種とナスダックは約1%下落したが、トランプ氏はその後、パウエル議長を解任する計画はないと言明した。

カルベイ・インベストメンツのディラン・ベル最高投資責任者は「FRBの独立性は米経済全体にとって極めて重要だ。最初の報道に市場が反応したのはそのためだ」と語った。

投資家の不安心理を示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(VIX)は解任報道を受けて一時3週間超ぶりの水準に上昇したが、その後下げに転じた。

米労働省が発表した6月の卸売物価指数(PPI)は前月比横ばいだった。関税による商品価格の上昇がサービス部門の価格下落で相殺された。

米銀大手が発表した第2・四半期決算は前日に続き好調だった。総利益が22%増加したゴールドマン・サックスは0.9%高。一方、バンク・オブ・アメリカとモルガン・スタンレーも増益を発表したが、株価はそれぞれ0.3%安と1.3%安だった。

ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は6.2%の大幅高。新たな関税に絡む今年のコスト見通しを従来の半分に引き下げ、通期の売上高と利益の見通しを上方修正した。

エヌビディアが人工知能(AI)半導体「H20」の中国向け販売を再開するとのニュースを受けて前日に大きく上昇していた半導体株は、この日は軟調だった。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場 は、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長解任を巡る報道を受け乱高下した後、3営業日ぶりに反発した。

中心限月8月物の清算値(終値に相当)は、前日比22.40 ドル(0.67%)高の1オンス=3359.10ドル。

米ブルームバーグ通信は16日、ホワイトハウス関係者の話として、トランプ米大統領 が近くパウエルFRB議長を解任する可能性があると報じた。FRBの独立性が揺らぐと の懸念が広がり、金融市場は株安、ドル売りで反応。安全資産として金の買いも膨らみ、 相場は一時3380ドル台に跳ね上がった。

ただ、トランプ氏は米メディアの報道後間もなく、ホワイトハウスで記者団に対し、パ ウエルFRB議長の解任を「計画していない」と明言。これを受けて、米株価は下げ止ま り、ドルは買い戻された。金は売り戻され、20ドル余り上げ幅を縮小した。

米労働省が朝方発表した6月の卸売物価指数(PPI)では、総合とコアはいずれも前 月比横ばいとなり、市場予想(0.2%上昇=ロイター通信調べ)を下回った。前日公表 された6月の米消費者物価指数(CPI)は、米高関税政策の影響による物価上昇の兆し が示唆された。両指標の結果から、FRBは早期利下げについて慎重姿勢を維持するとの 観測が改めて広がる中、利子の付かない資産である金は朝方、売りが出る場面もあった。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場 は、予想を上回る石油製品在庫の増加が弱材料視され、3日続落した。

米国産標準油種WTIの中心限月8月物の清算値(終値に相当)は前日比0.14ドル(0.21%)安の1バレル=66.38ドルだった。9月物は0.18ドル安の65.19ドル。

米エネルギー情報局(EIA)が午前発表した週報によると、11日までの1週間の米原油在庫は前週比390万バレル減と、市場予想の60万バレル減を上回る取り崩しとなった。一方、ガソリン在庫は340万バレル増と、予想(100万バレル減)に反する積み増しを記録。ディスティレート(留出油)は420万バレル増と、 増加幅は予想(20万バレル増)を上回った。これを背景に、需給の緩みを意識した売りが優勢となった。

市場関係者の間では、夏場のドライブシーズンがピークを迎える中で、ガソリン需要の 落ち込みが示されたことが、投資家の失望を誘ったと指摘する向きもあった。

需要の目安 となるガソリン製品の供給量は日量67万バレル減少し、850万バレルとなった。

一方、イラク北部のクルド自治区で石油・ガス生産を運営する8社で作るクルディスタン石油産業協会(APIKUR)は、同地区の油田へのドローン攻撃を受け、加盟企業の大半が操業の一時停止を発表したと明らかにした。この報が伝わると、供給不安が台頭し、相場は下げ幅を一部縮小。プラス圏に浮上する場面もあった。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ドル/円 NY終値 147.86/147.

89

始値 148.71

高値 148.92

安値 146.92

ユーロ/ドル NY終値 1.1634/1.16

36

始値 1.1617

高値 1.1721

安値 1.1563



米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 95*31.0 5.0114

0 %

前営業日終値 95*28.0 5.0180

0 %

10年債(指標銘柄) 17時05分 98*11.0 4.4593

0 %

前営業日終値 98*03.5 4.4890

0 %

5年債(指標銘柄) 16時58分 99*15.0 3.9939

0 %

前営業日終値 99*06.7 4.0520

5 %

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*23.2 3.8959

5 %

前営業日終値 99*19.5 3.9590

0 %



終値 前日比 %

ダウ工業株30種 44254.78 +231.49 +0.53

前営業日終値 44023.29

ナスダック総合 20730.49 +52.69 +0.26

前営業日終値 20677.80

S&P総合500種 6263.70 +19.94 +0.32

前営業日終値 6243.76



COMEX金 8月限 3359.1 +22.4

前営業日終値 3336.7

COMEX銀 9月限 3811.9 +0.9

前営業日終値 3811.0

北海ブレント 9月限 68.52 ‐0.19

前営業日終値 68.71

米WTI先物 8月限 66.38 ‐0.14

前営業日終値 66.52

CRB商品指数 303.1522 +0.4522

前営業日終値 302.7000

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