- 2025/07/25 掲載
ロシュ、米患者に医薬品の直接販売を検討=CEO
[ロンドン 24日 ロイター] - スイス製薬大手ロシュ のトーマス・シネッカー最高経営責任者(CEO)は24日、米国政府との協議の一環として、米国で処方薬を消費者に直接販売する可能性を検討していると明らかにした。患者の負担を軽減することが目的。
シネッカー氏は記者団との電話会議で、消費者への直販モデルは、ロシュの医薬品全てが対象になるとしたが、その仕組みの詳細は示さなかった。
トランプ大統領は5月に製薬会社に対し、他国の価格に合わせて薬価を引き下げるよう指示する大統領令に署名した。
通常、米国の薬価は製薬会社と消費者の仲介役を務める薬剤給付管理会社(PBM)による複雑な交渉によって決定される。PBMは雇用主や健康保険に代わって製薬会社と数量割引や手数料について交渉し、保険の対象となる医薬品のリストを作成し、薬局に処方箋の費用を払い戻す。この制度はコストを膨らますとして批判されている。
業界関係者は23日、ロイターに対し、直販モデルの最も有望な候補は、糖尿病、心血管疾患、ぜんそくなどの呼吸器疾患の治療薬として薬局で処方される低分子医薬品だと指摘した。これらは一部の抗がん剤など複雑な医薬品と比べて特別な取り扱いや注射などが不要なため、患者への直販や価格設定がやりやすいことを理由に挙げた。
米製薬大手ブリストル・マイヤーズ・スクイブとファイザーは先週、共同開発した抗凝固薬「エリキュース」について、米国の現金支払いの患者を対象に、割引価格での直接販売を開始すると発表した。
米製薬大手イーライリリーとデンマーク同業ノボノルディスクは既にそれぞれの肥満症治療薬を米国患者に定価を下回る価格で直接販売している。
最新ニュースのおすすめコンテンツ
PR
PR
PR