- 2025/08/18 掲載
鉄連、不当廉売関税の迂回防止制度創設を要請 中国の輸出増で
[東京 18日 ロイター] - 日本鉄鋼連盟など5団体は18日、アンチダンピング(不当廉売)関税に関し、第3国を経由したり、わずかな加工を施すことで関税対象から逃れることを防止する措置を早期に創設するよう政府に求めると発表した。中国の過剰生産を背景にした安価な鋼材輸出の増加により、通商対策の必要性が高まっている。
政府は、Ni系ステンレス冷延鋼板や溶融亜鉛メッキ鋼板に対する不当廉売関税の調査を開始した。鉄連は、仮にアンチダンピング措置が決定しても、迂回防止措置がなければ、「アンチダンピング措置の効果が著しく損なわれる」(鉄連の山下隆也常務理事)と指摘。アンチダンピング制度の実効性を高め、真に公正な競争環境を確保することが目的で、保護主義的な措置ではない、と強調した。
主要20カ国(G20)中18カ国が迂回防止制度をすでに導入しており、措置がないのは日本とインドネシアだけとなっている。迂回防止措置を有しない日本では、アンチダンピング措置の迂回への対応が必要な場合、あらためてアンチダンピング調査を行う必要がある。このため、業界団体では、現行のアンチダンピング関税の課税要件とは異なる個別の課税要件を設定することなどを、2026年度税制改正で実現するよう求めている。また、通商措置の調査要員の増員や調査体制の整備・拡充も併せて要請している。
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