• 2025/08/27 掲載

NY市場サマリー(26日)FRB巡る懸念でドル売り 株は反発 長短金利差拡大

ロイター

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<為替> ドルが主要通貨に対して下落した。トランプ大統領による連邦準備理事会(FRB)のクック理事解任発表を受け、FRBの独立性に対する懸念が再燃した。

主要通貨に対するドル指数は0.28%安の98.19となった。

トランプ大統領は25日、住宅ローン契約を巡る不正疑惑を理由に、米連邦準備理事会(FRB)のクック理事を解任した。これに対しクック氏は、自身を解任する「法的根拠はなく、権限はない」とし、「米経済を支援するために職務を継続する」と表明した。

トランプ氏の発表は市場を驚かせたものの、政策の政治化に対する懸念と、今回の措置が市場にもたらす利益への期待から、市場の反応は比較的控えめだった。

メシロ・カレンシー・マネジメントのシニア投資ストラテジスト、ウト・シノハラ氏は「ジャクソンホール会議後の影響のほか、昨晩報じられたクック理事解任と、FRBの独立性に対する脅威の高まりを示唆するニュースに注目が集まる中、市場の動きは比較的控えめだった」と指摘。トランプ政権の予測不可能な行動と、FRBがよりハト派的になるとの見通しがドル高を抑制していると述べた。

この日は7月の耐久財受注や8月の消費者信頼感指数が発表されたものの、市場の反応は限定的だった。

CMEのフェドウオッチによると、市場は9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でFRBが利下げに動く確率は85%との見方を織り込んでいる。

ドル/円は0.27%安の147.36円。

ユーロは対ドルで0.22%高の1.1647ドル。

英ポンドは0.2%高の1.3481ドル。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは1.03%高の11万0796.68ドル。イーサは4.37%高の4548.71ドルとなった。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 長短利回り格差が大幅に拡大した。トランプ大統領がクック連邦準備理事会(FRB)理事の解任を発表したことで、FRBの独立性や金融政策担当者の構成がよりハト派的になる可能性が意識され、短期ゾーンの国債利回りが長期ゾーンの国債利回りよりも低下した。

トランプ大統領は25日、住宅ローン契約を巡る不正疑惑を理由に、クック理事を解任した。大統領によるFRB理事解任は極めて異例。これを受け、クック氏の弁護士は26日、提訴する方針を明らかにした。

クレジットサイツの投資適格債・マクロ戦略責任者を務めるザカリー・グリフィス氏は、「FRBの独立性が実際に影響を受けた場合、国債全体の利回り曲線がスティープ化する長期トレンドを示す事例は複数存在する」と述べた。

2年債利回りは4.9ベーシスポイント(bp)低下の3.681%。

指標となる10年国債利回りは1.7bp低下の4.258%。

2年債と10年債の利回り格差は58bp。一時、59.8bpと7月16日以来の高水準となった。

朝方発表された7月の耐久財受注は、民間設備投資の先行指標とされるコア資本財(非国防資本財から航空機を除く)の受注が前月比1.1%増となった。予想以上に増加し、企業の設備投資が第3・四半期に好調なスタートを切ったことを示唆した。

CMEのフェドウオッチによると、市場が織り込む9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げ確率は85%。

供給面では、財務省がこの日実施した690億ドルの2年債入札は堅調な需要を集めた。最高落札利回りは3.641%で、入札前取引の水準を約1.5bp下回った。応札倍率は2.69倍と、昨年12月以来の高水準となった。

今週は27日に700億ドルの5年債、28日に440億ドルの7年債の入札が実施される。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> 反発。トランプ米大統領が米連邦準備理事会(FRB)のクック理事を解任すると明らかにしたことを受け、FRBの独立性を巡る懸念が深まったものの、半導体大手エヌビディアや製薬大手イーライリリーへの買いが相場を支えた。

エヌビディアは1.1%高。同社が27日発表する決算は、米中貿易摩擦の中で業績がどのように推移しているかを示すほか、人工知能(AI)関連株上昇の行方も左右する可能性がある。

トランプ大統領は25日、住宅ローン契約を巡る不正疑惑を理由に、FRBのクック理事を解任すると表明。FRBの政治からの独立を巡る懸念が強まった。

これを受けてS&P総合500種先物は一時下落したが、FRBが9月に利下げを開始するとの見通しに変わりはないとの見方から、株価は持ち直した。

USバンク・ウェルス・マネジメントの資本市場調査責任者ビル・メルツ氏は「市場関係者は(FRBの)独立性について懸念を強めている。長期的には真の懸念事項だ」としつつ、「しかし短期的には、今後6─12カ月の金利政策の道筋をどれほど変えるだろうか。今後6─12カ月で金融緩和が行われる兆しは既に示されている」と述べた。

S&P500は今月14日に付けた終値での最高値をわずかに下回る水準で取引を終えた。同指数の予想PER(株価収益率)は約23倍と4年ぶりの高水準にあり、エヌビディアの決算でAI関連株への投資熱が打撃を受けた場合、売りが広がるリスクが高まっている。

イーライリリーは6%近く上昇。同社が開発している経口型肥満症治療薬「オルフォルグリプロン」について、2型糖尿病で肥満症または太り過ぎの症状を抱える成人を対象とした後期臨床試験で、体重が10.5%減ったと発表した。

衛星通信のエコースターは70%急伸。通信大手AT&Tが同社から特定の無線周波数ライセンスを約230億ドルで取得することで合意したと発表した。

S&P500では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.1対1の比率で上回った。

米取引所の合算出来高は157億株。直近20営業日の平均は169億株。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場 は、安全資産としての金需要が意識され、反発した。

中心限月12月物の清算値(終値に 相当)は前日比15.50ドル(0.45%)高の1オンス=3433.00ドル。

トランプ米大統領は25日、連邦準備制度理事会(FRB)のクック理事が住宅ローンに関連して虚偽の申告をしたとして、即時解任すると表明。クック氏宛てに通告した署名 入りの書簡をSNSで公表した。これを受け、中央銀行の独立性を巡る懸念が広がり、安 全資産としての金買いが先行した。

FRBの人事を巡っては、トランプ氏は、利下げ判断が遅すぎるとパウエルFRB議長を批判し、辞任を繰り返し要求。クック氏の後任には利下げを推進する人物を充てる可能性がある。パウエル氏が前週末の講演で利下げ検討を示唆したこともあり、依然として利下げ期待が高まっており、引き続き相場を支援した。

市場は、週内に発表される4─6月期の米GDP(国内総生産)改定値や、7月の個人消費支出(PCE)物価指数に注目。FRBの今後の金融政策の方向性を見極める手掛かりを得ようとの思惑が広がっている。

このほか、香港政府統計局が26日に発表したデータでは、7月の中国による香港経由の金純輸入量は前月比126.81%の43.923トンとなった。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相は、ロシア産石油の供給混乱懸念がくすぶる中、反落した。

米国産標準油種WTIの中心限月 10月物の清算値(終値に相当)は、前日比1.55ドル(2.39%)安の1バレル= 63.25ドル。11月物は1.51ドル安の62.80ドル。

トランプ米大統領がウクライナとロシアの和平実現に向けて仲介に動く中、両国は互い に好条件を引き出すために攻撃を継続。ロシア産原油の供給混乱懸念は根強いものの、前日までの買いが一服し、この日は朝方から利食い売りが先行した。

トランプ氏は今月、ロシア産石油の購入を増やしているインドに対し、既に発表済みの25%の関税に上乗せし、最大で50%の関税を課す大統領令に署名。追加関税の発動が 翌27日に迫る中、経済やエネルギー需要への影響を警戒し、相場は終日マイナス圏を推移した。

市場の次の注目材料は、米石油協会(API)が26日夕、米エネルギー情報局(EI A)が27日午前にそれぞれ公表する在庫週報。市場予想(ロイター通信拡大版調査)で は、原油在庫は前週比170万バレル減、ガソリン在庫は260万バレル減、ディスティ レート(留出油)は130万バレル増と見込まれている。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ドル/円 NY終値 147.40/147.

41

始値 147.57

高値 147.72

安値 147.11

ユーロ/ドル NY終値 1.1642/1.16

44

始値 1.1644

高値 1.1665

安値 1.1634



米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 97*10.0 4.9223

0 %

前営業日終値 97*26.5 4.8890

0 %

10年債(指標銘柄) 17時03分 99*28.0 4.2654

0 %

前営業日終値 99*25.5 4.2750

0 %

5年債(指標銘柄) 17時05分 100*18. 3.7466

25 %

前営業日終値 100*12. 3.7870

50 %

2年債(指標銘柄) 17時05分 100*11. 3.6831

25 %

前営業日終値 100*08. 3.7300

50 %



終値 前日比 %

ダウ工業株30種 45418.07 +135.60 +0.30

前営業日終値 45282.47

ナスダック総合 21544.27 +94.98 +0.44

前営業日終値 21449.29

S&P総合500種 6465.94 +26.62 +0.41

前営業日終値 6439.32



COMEX金 12月限 3433.0 +15.5

前営業日終値 3417.5

COMEX銀 9月限 3860.6 ‐9.7

前営業日終値 3870.3

北海ブレント 10月限 67.22 ‐1.58

前営業日終値 68.80

米WTI先物 10月限 63.25 ‐1.55

前営業日終値 64.80

CRB商品指数 298.4558 ‐3.2535

前営業日終値 301.7093

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